世界農業遺産

毎日23日朝刊に出ていたFAOの世界農業遺産の記事
http://mainichi.jp/feature/news/20130823ddm013040026000c.html

日本で指定された3地域のうち、大分・国東半島を中心に書いている(他に阿蘇の牧畜地帯と静岡のお茶の産地が指定されたそうだ)。

国東半島は、神仏習合にもとづく独自の仏教文化が中世に栄えたので有名なところで、その中心のひとつである田染(たしぶ)荘の中世景観が残っているのだそうだ。近代的な圃場整備をするのをあえてやめ、小規模農業と観光化で生き残る路線を選んだ地域だそうだ。栽培した減農薬米は「荘園米」として売り出しているとか。
大学1回生の夏休みと春休みに旅行した地域なので、とてもなつかしい。

同じ記事に武内和彦国連大学上級副学長という人がコメントしており(ネットでは
http://mainichi.jp/feature/news/20130823ddm013040027000c.html
農業大規模化による生産増に環境を破壊した面があること、その反省を踏まえて小規模な農業を推進し、生物多様性を保全し、環境と調和した農法を積極的に評価するのが農業遺産だ、と述べている。

これを読んだ歴史の先生方、英米で「偶然おこった」農業の大規模化--資源浪費型の--を、人類普遍の近代化や進歩の道だと教えるような、今までの教育はやめてくださいね。東アジア小農社会論と勤勉革命論を完全に美化するのは行き過ぎですが、農業大規模化は決して人類普遍の道でも持続可能な発展の道でもありません。大規模農業が「経済的」に見えるのも、原発が「経済的」に見えるのと同じで、致命的なコストを計算から外しているだけですから(社会主義大農法とかいう幻想も同じ)。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

イギリス近代史の「農民」

大昔、西洋経済史を習った先生に、近代イギリス史で登場する
「ファーマー」は「資本主義的に」農業をやるのだから「農民」では
ないので、日本語に訳しようがないのだ、ということを何度も外書購読で言われました。同じころ、東洋史の講義で、東アジア小農社会論を
どうして「一般法則」にあてはめて考えてははいけないのかを教わって、授業でもこうしたことは気をつけて教えてきました。指摘されてみれば、こうした観点は教科書にも指導書にも書かれてこなかった訳で、改めて良い教育を受けてきたのだなぁとこの記事を拝読して思いました。
プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセス・カウンター
あなたは
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR