コミッショナー不信任
オールスターゲームの大谷翔平らの活躍は楽しいが、他方で選手会がコミッショナー不信任というのも、選手からすれば当然だろう。ボールの飛び具合が試合結果や選手の成績に明らかに影響するのだから、統一球の調整を知らなかったというのはあまりにお粗末だ。これが日本によくいる家父長型の経営者だったら、「選手は家族同然」と考えるだろうから、家族同然の選手がおかしな目にあったら怒らねばならない。
そういうオーナーすらいないオーナー会議というのも、「日本軍は上に行くほどダメになる」という伝統をひきついだ、無能・無責任リーダーの集団なのだろうか。
話変わって今日の歴教研。大学教養課程用の世界史教科書の構想報告第3回。
西洋史の栗原さんがヨーロッパ古代・中世史について報告し、私が一部秋田さんの原稿を含めて、大航海時代と19世紀なかばから20世紀なかばまでのアジア史について報告したのだが、
・私が「こういう古い図式がいまだに支配的なのでそこをこう変えよう」と思っている新しい説明が実は学界ではもう新しくないとか、今の大学生はもうその古い像をもっていない、という指摘がいろいろ出た。知ったかぶりで広く意見を聞かねばいけない。
・やはり単語レベルで「言葉(の定義)」と「その言葉の使用が与える印象(誤解)」にこだわる質問がたくさん出た。
もっともな点もあるが、私としては実は、単語で「Aという呼び方はいいがBという呼び方はよくない」といった議論に、それにこだわる人々がいうほどに大きな意味があるとは考えない。単語だけいくら必死で正しても、「こちら立てればあちら立たず」という矛盾は避けがたいし、「考え方がわかっていない(文脈を読む訓練ができていない)読者」は、どんな言葉を使おうが必ず誤解をするのである。その意味で私は、「通俗的な」呼称などをけっこう平気で使う。そのうえで「説明」をする。より大事なのは適切な説明である。
たとえば「大航海時代」は、地理上の発見を言い換えるために日本で作ったケッタイな言葉である。たしかにケッタイな言葉である。だが、「地理上の発見」を客観的な事態を示す言葉として使うわけにはいかない。ほかに当時の長距離航海と遠隔地交易の大ブームを言い表す適当な言葉が今のところない。とすれば、夢中になって議論すべきは、大航海時代という言葉を使うべきか否かではなく、そこに付ける「これこれこういう事情で、問題のある言葉だがあえて使う」といった説明をどう適切なものにするべきかであろう。
付言すれば、歴史で問題になる時代や事件のネーミングの問題は、社会科学用語の定義の問題とは性質が違う。
そういうオーナーすらいないオーナー会議というのも、「日本軍は上に行くほどダメになる」という伝統をひきついだ、無能・無責任リーダーの集団なのだろうか。
話変わって今日の歴教研。大学教養課程用の世界史教科書の構想報告第3回。
西洋史の栗原さんがヨーロッパ古代・中世史について報告し、私が一部秋田さんの原稿を含めて、大航海時代と19世紀なかばから20世紀なかばまでのアジア史について報告したのだが、
・私が「こういう古い図式がいまだに支配的なのでそこをこう変えよう」と思っている新しい説明が実は学界ではもう新しくないとか、今の大学生はもうその古い像をもっていない、という指摘がいろいろ出た。知ったかぶりで広く意見を聞かねばいけない。
・やはり単語レベルで「言葉(の定義)」と「その言葉の使用が与える印象(誤解)」にこだわる質問がたくさん出た。
もっともな点もあるが、私としては実は、単語で「Aという呼び方はいいがBという呼び方はよくない」といった議論に、それにこだわる人々がいうほどに大きな意味があるとは考えない。単語だけいくら必死で正しても、「こちら立てればあちら立たず」という矛盾は避けがたいし、「考え方がわかっていない(文脈を読む訓練ができていない)読者」は、どんな言葉を使おうが必ず誤解をするのである。その意味で私は、「通俗的な」呼称などをけっこう平気で使う。そのうえで「説明」をする。より大事なのは適切な説明である。
たとえば「大航海時代」は、地理上の発見を言い換えるために日本で作ったケッタイな言葉である。たしかにケッタイな言葉である。だが、「地理上の発見」を客観的な事態を示す言葉として使うわけにはいかない。ほかに当時の長距離航海と遠隔地交易の大ブームを言い表す適当な言葉が今のところない。とすれば、夢中になって議論すべきは、大航海時代という言葉を使うべきか否かではなく、そこに付ける「これこれこういう事情で、問題のある言葉だがあえて使う」といった説明をどう適切なものにするべきかであろう。
付言すれば、歴史で問題になる時代や事件のネーミングの問題は、社会科学用語の定義の問題とは性質が違う。
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