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追悼・西村昌也氏

考古学者・西村昌也(にしむらまさなり)氏が、バクニン省でバイク事故で亡くなったというニュースが飛び込んできた。ショックで言葉を失った。かれと親しかったベトナム人考古学者がこれまでに二人、交通事故で亡くなっている。今度はかれ自身が。。。

西村氏は大著『ベトナムの考古・古代学』(同成社、2011年)でこのほど東南アジア史学会賞を受賞し、6月1日に鹿児島で、受賞記念講演をしたばかりである。

当時の文部省の「アジア諸国等留学」奨学金の推薦状を書いた覚えがある。それでハノイに留学して以来、西村氏はほとんどハノイに住み着き、途中で結婚した西野範子さんとそれこそベトナム中の遺跡という遺跡をくまなく歩いた。私もベトナムで多くの地方を歩いている方だが、どの地方でも、文化財担当者や地方幹部が「ニシ」と「ノリコ」のことを親しみを込めて語るのを聞くことができた。そのなかには、バッコック村の幹部たちも含まれる。

石器時代から近世にいたる膨大な研究のほかに、遺跡データ集づくり、自分で掘った窯址の博物館建設(そのために「東南アジア文化財保護基金」というNPOも組織した)など、西野さんとの連名によるものも含め、西村氏が手がけた仕事の幅広さには目をみはらされる。近年は、フエ近郊村落の調査で、膨大な文書資料を含む「宝の山」を掘り当てたところだった。
論文には、ベトナム語はもちろん英語で発表したものもいくつもある。1980~90年代には、日本の学界から東南アジアに根を下ろすタイプの考古学者がつぎつぎ出現したが、その中でも西村氏の存在感は大きかった。

博士号取得後、頼まれてずいぶんたくさん推薦状を書いたが、かれにはパーマネントの職が見つからなかった。
ベトナム滞在が長かったこともあるにせよ、大学側の見識を疑うケースもあった。

惜しい。あまりに惜しい。






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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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