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「中量輸送」に託す新時代

私の探し方が下手なのか、ググっても出てこないのだが、毎日の夕刊「ぶんかのミカタ」欄に宇都宮浄人・関西大教授の「鉄路は続く 下」が出ており、関西における中量輸送機関の必要性を述べている。

高度成長期には関西圏でも、郊外と都心を結ぶ大量輸送機関(通勤電車)を走らせればよかったが、バスとの中間の中量輸送機関、たとえば郊外同士を横につなぐ路線が不足しているため交通ネットワーク全体が十分便利でないと、正しい指摘をしている。大阪と同規模のァパリなどでは、横につなぐ路線におしゃれで高性能なLRTが作られ、商店街や地域の活性化につながっていることが紹介される。

私も何度も書いてきたが、日本の都市は総じて、「路面電車=時代遅れ」「大都市は地下鉄が必要」という固定観念で突っ走ってきた。広島・長崎など中規模都市ではまだしも路面電車が活用されてきたが、広島以外の百万都市となると、猫も杓子も地下鉄を造って、巨額の赤字を出してきた。地下鉄とバスとの間がすっぽり抜けている。

ちなみに中量輸送機関にはモノレールやいわゆる新交通システムもあるが、建設費は地上に造るLRTがいちばん安い。またモノレールや新交通システムは、地上からホームまでの距離が長いので、目的地までのトータルの移動時間が自動車はもちろん自転車より長くなることが多い。それでバスより運賃も高いのだから、あまり利用する気になれない。それでも大阪モノレールは(郊外を環状に走るメリットが大きいため)乗客が増えているそうだが、一般的にはLRTの優位は動くまい。

毎日の鉄道記事には、いまでも御堂筋線の建設、阪急の経営など過去の栄光に浸る記事が出ているが、現に関西大手私鉄の輸送量は1960年代の水準に下がり、「準大手」の神戸電鉄の路線が廃止に追い込まれかかっている。kれについては『鉄道ジャーナル』7月号(5月発行)に掲載された、近畿大名誉教授・齊藤峻彦氏の「鉄道大国日本の「成功」と「反省」(前)」の中でシビアに取り上げられている。

宇都宮先生の「大阪の都市交通は、20世紀初頭より常に先進的な投資をしてきた。それが今の快適な鉄道の基礎となっている。次の時代は、中量輸送機関を整備し、バス路線の再編成も進めながら、既存の公共交通機関とのネットワークが課題である。金額的に小さく、それでいて人々の生活クオリティーを高め、地域を活性化させる、効率的で効果的な21世紀型投資になるにちがいない」というまとめにあるとおり、中量輸送機関の建設は公共事業の質の転換にもつながる。大阪(や京都・神戸)の再生にぴったりなのである。

毎日の今日の朝刊には「鉄道×毎日新聞」という欄もあるが、たいした記事はない。ただ、山陽電鉄2000系アルミカーの写真はなつかしいものだ。



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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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