「市民のための世界史」教科書に向けて

共通教育「市民のための世界史」用の教科書を1年後に発行すると公約してしまったので、さすがに尻に火が付いて先日来、作業を開始している、この1週間は、そのもとになるプリント(穴埋め式ではありません!)と用語リストのバージョンアップをした(3月20日の油井先生の研究会では旧版しか発表できず、申しわけありませんでした)。

今回は、半年の講義で実際にしゃべれるかどうかに一旦目をつぶり、これまでアジア史中心で西洋史を極端に軽視していたのをもう少しバランスを取る、文化史を少しは入れる(大学用なので、各学部の学生に近代的な諸学問の歴史を少しはわかるようにするという目標も立てた)、などを狙ってプリントを大幅に増補した。小テスト問題は10回分しかなかったのを、14回分に増やした。

結果、800あまりだった「用語・事項」が1300あまりに増えた。そこには依然として、「朝貢システム」「国民国家」「輸入代替工業化」など固有名詞でなく、「世界史用語」というより「現代用語の基礎知識」と思われそうなものが大量に含まれている。「2000以内」という目標からすれば、あと400~500は増やしてもいいのだが、人名や事件名、作品名などは入れだすときりがないので、取捨選択は簡単でない。現在は用語のたくさん入った高校教科書を持たせたうえで「詳しくは教科書何ページ参照」で講義プリントは簡略化できるのだが、教科書となるとそうはいかないのも難しい点だ。

いずれにしても、フランス革命以降のフランスの政体の変遷についても、7月王政、第2共和制、第2帝政、第3共和制...という調子で全部用語を並べることはしたくない。中国南北朝や五代の王朝名も全部はいらないはずだ。それがないと歴史の説明にならないと先生も生徒も思うとすれば、それはそういう説明を長期間刷り込まれてきたからという以外の理由は考えられない。

その他、新しい教科書では、序章・終章にも学習者の動機付けにかかわる仕掛けをするつもりで、プリントに一部を書き込んでみた。

概要は4月の歴教研例会で報告の予定なので、参加できるかたはお楽しみに。

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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