アジア史学基礎Cの期末試験問題もしくは左利きの比率に関する一考察

教養課程(全学共通教育)の東南アジア通史の授業である。「専門基礎科目・文系」のカテゴリーに属し、文系各学部の学生が履修できる。東洋史の学生は「アジア史学基礎A(中央アジア史)」「同B(中国史)」「同C(東南アジア史)」をすべて履修してもらうことになっている。ローテーションの都合で今年の東洋史の2回生は2回生の2学期にならないと「C」が履修できず、申し訳なかった。

成績はほぼ毎回のコメントカード(ミニレポート)と、この期末試験を半々で採点する。
例年、通史のプリントを配って実際にはほとんど近世までで終わっていたのだが、今年はムリヤリ現代までなんとか大筋だけはしゃべった。おかげで2月8日などというずいぶん遅い時期に試験をすることになった。

次の4問のうち2問を選んで回答せよ(1問あたり50点)。
1.東南アジアの貿易史について、各時代の貿易の担い手と輸出品に焦点を当てながら述べよ。時期は(1)古代・中世、(2)中世末から大航海時代まで、(3)近世後期~植民地時代、(4)1970年代以降に分けるとよい。

2.東南アジアの貿易の中心となった港市国家群は、政治・軍事的にはしばしば、周辺の農業国家と対立し、その圧迫を受けた。マラッカ海峡域、ベトナム中部沿岸、ビルマ(ミャンマー)海岸部の3地域について、どんな港市国家群がどんな農業国家と対立したか、港市国家群と農業国家はそれぞれ自分の立場を強めるためになにをしたかを整理して説明せよ。

3.現在の東南アジアの宗教分布と、それがいつから成立したか、その前はいつごろどんな状況が見られたかを、大陸部と島嶼部に分けて説明せよ。大陸部ではベトナム、島嶼部ではフィリピンの状況にも注意すること。

4.現在の東南アジアの国をひとつ選び、第二次世界大戦終了後、現代までの歴史について、東西冷戦や開発主義・グローバル化など世界の動きとの関係に注意しながら説明せよ。

1~3番は、高校の先生に「東南アジア史は国名や王朝名だけ並べるとまったく頭に入らないから、経済史は1、政治史は2、文化史Hが3のように整理して教えて下さい」と再三話してきたネタである。

問題は前週に予告し、しかも「持ち込みあり」でプリント、ノート、書籍などを見ながらかいてよい(電子辞書は付加)。作文してきて答案用紙に写してもよいのだが、それであっという間に答案を書いて出て行く学生はほとんどいなかった。短く簡潔にまとめるにはかなり頭を働かせねばならず、そこまでは準備しきれないのだろう。その場でプリントや概説書の関係個所を写すだけにすると、今度はけっこう長くなるのだ。

採点はまだしていないが、2番の問題を選択した学生がほとんどいないのは意外だった。

ついでに、試験監督をしていて気づいたこと。
受験者56名中、左利きが5名(東洋史の学生が春からの進学が決まっている1回生を含めて3名! やはり東洋史に来るのは変わり者が多い?)。この数は一見すると、左利きの人口比を素直に反映しているように思えるが、なんと全員が女性だった。
男子の左利きは今でも無理に右利きに変えさせられるのだろうか??

さて、明日は与那覇潤さんの「中国化する日本」の合評会第1回。
例によって冒頭発言を頼まれているのでこれから準備しなくっちゃ。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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