センター入試

事情があってネットの使えない場所にいたので書くのが遅れたが、世界史のセンター入試はみんなびっくりしたんじゃないかな? 例年にましてリード文のテーマと関係ない問い(リード文を読む必要のない問い)が多い。しかも普通名詞に下線を引く方法がおそらく意図的に多用されている。

大問1(世界史上の法をめぐる問題)の枝問4-インドに関するリード文で「法律書」に下線3を引いて、「下線部3に関連して、法とその制定について述べた文として誤っているもの」を選ばせる・・大問1のどこにあっても同じ問いで、ここに置く必要がまったくない。

大問2(世界史上の年と経済)の枝問13-ブダペストの一部になっている都市ペストについてのリード文で「都市ペスト」の「都市」に下線3を引いて、「下線部3について述べた文として波線部の誤っているもの」を選ばせる・・・選択肢は世界のてんでんばらばらな都市について説明したもので、リード文とはいっさい関係ない。

同じく枝問15-オスマン帝国下のギリシア商人がペストに進出して交易を行ったというリード文の「交易」に下線5を引いて、「下線部5の歴史について述べた文として正しいもの」を選ばせる・・・これも世界史上の交易についてのバラバラな文が並んでおり、リード文とはいっさい関係ない・

同じく枝問16-フランクフルトに関するリード文で、「ユーロ経済圏の中核的都市のひとつとなっている」という文の「ユーロ経済圏」に下線6を引いて、「下線部6に関連して、広域経済機構または地域協力機構について述べた文として正しいもの」を選ばせる・・・それぞれNAFTA、COMECON、APEC、ASEANに関する選択肢を、「ユーロ経済圏」に「関連して」問うのは、教養の試験の答案で関係ない答案を書く際の逃げ口上である「それはさておき」に限りなく近い。

同じく枝問18-同じリード文のフランクフルトがドイツ連邦共和国成立時に首都の有力候補地と目されたというところの「首都」に下線8を引き、「下線部8の歴史について述べた文として正しいもの」を選ばせる・・・これも世界のさまざまな首都についての選択肢で、リード文との結びつきは皆無。

大問4の枝問28-東南アジアに関する小問なのだが、「クメール人の王朝」の「王朝」に下線1を引き、「下線部1に関連して、世界史上の王国や王朝について述べた文として正しいもの」を選ばせる・・・これも選択肢は世界のばらばらな王朝でリード文は不必要。
ほかにも苦しい問題がいくつもある。

これだけあると意図的にやっているとしか考えられない。
「リード文を読むな」という高校・予備校の指導へのイヤミでやっているのかもしれないが、これならリード文をなくした方がましだ。全体に解く受験生も解説する教員も楽しくないだろう。

日本史の方で北海道と沖縄に関する問題、鎌倉仏教に関する問題など意欲的な出題が見られたのと対照的に感じられた。

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リード文自体、ここ数年でいちばん面白くないものでした。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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