世界史雑記帳(7):儒教のとらえかた

今月の歴教研の月例会は、院生が儒教について発表するそうだ。
具体的に取り上げるテーマ・ネタは当日のお楽しみとして、聞く側はどんなことを頭に置いて聞いたらいいだろうか?
今までに書いたことと一部重複するが、昔の日本のインテリなら誰でも知っていたことが今では完全に忘れられいているから、頭の整理が必要である。
前提として再三述べてきたが、中国人(漢民族)の伝統的宗教はなにか、とたとえば地理の授業中に問われたらあなたはどう説明するか?
「儒教」という答えは不合格。正解は「儒仏道の三教プラス民間信仰」である
(国家の正統教学を答えるなら多くの時代について儒教と答えてよいが)。そのうえで、以下のような問いに答えられるだろうか?

・「儒教」という言い方と「儒学」という言い方があるが、どう違うのだろう?
(儒教ないし儒学では)なにを身につけた人が偉いのだろう? なにをしたらそこに至る道を進むことができるのだろう? それができるのはどういう層の人々だっただろう?・
・近世の中国や東アジアで儒教の大衆化がおこるが、それは儒教のどんな面が広がったのか?→→これは7月例会の猪原報告も思いだしてほしい。
・儒家はなにで国家を統治しようとしたのか、法家との対比で述べよ。
仏教や道教は、儒教ないし儒学に足りないどんな要素をもっていたか? 皇帝権力にとって、庶民にとって、対外関係にとって、などいろいろな角度から考えよう。
・(関連問題)禅宗と儒教の関係はどんなものだったか?
・儒教の立場で「淫祠邪教」とされたものはどういう理由でそう判定されたのか?
・近世以降にキリスト教信者になったのはどういう人々だろうか?
・中国における社会主義と儒教の関係、改革開放政策下での儒教の扱いなどはどうか?

こういうことが説明できない(整理できていない)ままで、人名や経典の名前、孔子のことば、仁だ徳だというキーワードだけ並べても意味がない、というのは再三再四言い続けてきたことである。



関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセス・カウンター
あなたは
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR