世界史雑記帳(3)

以前、参考書かなにかの記述を訂正させたことがあるが、「世界最初の地下鉄電車がロンドンにできた」といった記述がときおり見られる。「世界最初の地下鉄」は1863年にロンドンで開業しているが、これは蒸気機関車が引っ張る列車で(シャーロック・ホームズに出てくる)、世界最初の地下鉄「電車」は1896年にハンガリーのブダペストで開業している。

地下をSLが走るのだから煤煙がたいへんだったらしいが、最初の近代国家たるイギリスでは、あとから見るとおかしなものも色々生み出している。

ちなみにロンドンでは、もともと別々の会社が設立した地下鉄が乗り継ぎなどの不便解消のために統合されただけでなく、1933年からそれらをすべて公有化し地下鉄や路面電車、市内バスなどの運賃の共通化(市内をゾーンに分けて、電車でもバスでも、電車とバスを乗り継いでも、ゾーンごとおよびゾーン間の規定運賃を払えばいいようにする)を開始しているはずだ。ヨーロッパでは乗客に親切なこの共通運賃制の仕組みが各国で一般化し、違う企業体間でも実施されるようになるが、日本は路面電車やバスの市営化まではできても、違う企業体の運賃の共通化どころか同じ企業体の内部で、地下鉄とバスなど異なる交通機関の共通運賃制をしくことがほとんどできなかった。個別の経営計算の利害を調整できないのである。自治体だけでなく民間の鉄道・バス会社でも同じなのだから、要するに日本の経営者は能力が低い、ということになるのだろうか。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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