韓国人のベトナム戦争

2009年に出た本で新しくはないのだが、本棚の妙な場所に置いたままになっていたのを発見したので、この際紹介しておこう。
市民団体の活動をしているうちにピースボートを通じてベトナム戦争に出会い、韓国軍がベトナムでやったことに真摯に向き合おうとした人たちのことを書いた本である(金賢娥著、安田敏朗訳、三元社刊)。
日本人がこんなことを書くとそれ自体が「上から目線」だと怒られるのを承知の上で書くのだが、日本語版序文で著者が書いたつぎの言葉には感心した。
最近、だれと手をつなぐのかについて考えている。まつては、韓国で生まれたのだから韓国人と手をつなぐのが当然のことと思っていた。しかし、緩やかな世の中になり、境界を乗り越えるのは、よりたやすくなってきている。私は戦争を引き起こす韓国人よりは平和な世界を夢見る日本人と手をつなぎたい。多国籍企業のファーストフードを好む韓国人よりは、申し訳なく、怒りを覚え、逃げ出したいとも思った気持を慮ってココナツを手渡してくれたベトナム人と手をつなぐだろう。連帯とはこうしたものではないだろうか。
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