生活保護問題 怒りの正体を見極めよう

これも毎日の昨日の夕刊の「月刊 ネット時評」
赤木智弘氏が書いている。

自分たちは社会保険料を払って社会保障を得る権利を保っているのに、社会保険料を払わずに生活保護を受給する連中は、本来ちゃんと支払っている人に分配されるべき社会保障をシロアリのように食い尽くし、奪い去るように見える、そのように権利を奪う者に対する怒りこそが、生活保護の不正受給に怒る「マグマ」の正体ではないかと氏は書く。

ただし氏はそのあとに続ける。
一見真っ当に見えるマグマ生成の論理には、大きな勘違いが含まれている。そもそも国民が社会保障を受ける権利は無料であるべきだ。社会保障によって守られるものは私たちの生存権であり、生まれながらに保有する固有の権利である。そういう自分の当然の権利を、さも「カネで買うもの」であるかのように扱ってしまっている、そこが根本的な勘違いだと氏は言うのだ。
たしかに学校ではみんな、20世紀に入って生存権は基本的人権のひとつとして定着した、と習ったはずだ。その「知識」が生きていないのだ。学校教育の責任は見過ごせない。

社会保障をカネで買うという(筆者注:つまりカネを払える人間だけが生存権に値するという)現状を批判し、「社会保険料を支払う人」という属人性をなくすことが、マグマを冷やす第一歩だ。しかしその一歩は、多くの日本人の「俺は社会保険料を払った」という自尊心を奪うことでもある。長引く不況で、ただでさえ自尊心を傷つけらている日本人が、果たしてこれまで過ちを認め、正しい方向に舵を切ることができるのか。今、日本人の理性と覚悟が求められている」という結びは、「世論の暴走」と「安全地帯にいる良識派」の両方を批判してきた氏ならではのものだろう。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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