花よりケーキ(自己紹介・補遺2)


新学期の授業が始まってから寒い日が続いていたが、今朝は家の近くでツツジの開花がぐっと進んだ。大学時代、京都の高野川沿いに下宿して毎日自転車で大学やバイトに通っていたのだが、川端通りのツツジはみごとで、あれからツツジが大好きな花になった。

今夜は家に帰ると、ラ・フォル・ジュルネ・ド・ナントの録画をやっており、ショパンのスケルツオ1番にエチュードの作品10のほう、それにピアノ三重奏曲などをやっていた。高校時代のポリーニのエチュードを聴いたときの衝撃は今でも忘れられない。

今夜のおかずは初めて作ったタイのあらだき。すこし前に間違えてみりんを2本買ってしまったために、このところみりんを使う料理をよく作っていたところへ、タイのあらを安売りしていたのでチャレンジした次第。結果はなんとか食べられるものができた。P1030304.jpg

これは料理自慢などというものではなく、ものぐさ+不器用な私が作れるのはあくまで「一人暮らしで飢えずにすむ自己流簡単料理」に限られる。私の英語と同じレベル、と言えばわかる同僚・知人もいるだろう。今さらきちんと英語を習う余裕などないが、しかし今や国際発信からは逃げられない。今さらきちんと料理を習う暇はないが、しかしこの年で外食や「中(なか)食」ばかりでは健康・経済の両面でよろしくない。普通の家庭料理で作り方を知らない品はいくらでもある。私の味覚も、ちっとも洗練されてなどいないし鋭敏でもない。ただ、「やらねばならない」と思えば日本の受験英語がけっこう役に立つのと同様、ムリヤリ自炊をしようと思えば、家庭科で習った栄養の知識は有用だろう(電子レンジなど便利な道具がある現在、大事なのは技術よりも、基本的な栄養バランスなどの知識であるように思われる)。

それにしても、私はきわめて食い意地が張った人間だという自覚がある。激辛料理などを別にすれば、「あんまり好きでない」食べ物はあっても、「食べられない」ものは基本的にない。ただし、胃腸がそれほど丈夫ではないのに食い意地が張ってやたらに食べたがるものだから、食べ過ぎで下痢や胃痛に苦しんでまわりをあきれさせた経験は数限りない。この年まで好きなものを食べていて、糖尿とかコレステロールとかの問題はほぼ皆無だから親に感謝しなければならないのだが、自分の胃腸の弱さを呪うことはときどきある(たとえば碑文に興奮するわれわれベトナム研究者を「変態」よばわりしたIさんが、ハノイはMホテルのチョコレート・ビュフェで、すぐに満腹する私を尻目にむしゃむしゃ食べつづけているのを見たとき)。

「好きな食べ物」と言われてもたくさんあって答えられない。野菜も果物も肉も魚も、イモもマメもご飯もパンも麺類も、思い出すと食べたくなるものがいくらでもある。中でも甘い物は、和洋中華その他を問わず、特別に好きである(酸っぱいもの、辛いものなどが嫌いなわけではない)。それからバターとクリーム。あんことバターと生クリームは、人類の三大発明ではないかと思う。その意味で、甘い物を毎日たくさん食べるという「文明」を知らずに育ち、私が朝食のパンにホイップクリームを絞ると聞いて顔をゆがめる院生のWさんは、とてもかわいそうな人である・・・Wさん、アルハラならぬ「甘ハラだ」などと怒ってはいけない。これは「文化相対主義」で理解すべきではなく、「発展段階」の問題なのだ。したがって私は、カフェスア(コンデンスミルク入りのベトナムコーヒー)を私よりずっと甘く、ほとんど真っ白にして飲む同僚のUさんを、深く尊敬する。

今朝も私は、イングリッシュマフィンにたっぷりのバターとマンゴージャムを塗り、ホイップクリームをかけて頬張ったのだった。ああ、快感。P1030292.jpg



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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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