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30分でわかる社会主義・共産主義(その3)

以下もけっこうややこしい(プリントが説明不足なので若干補足した)。とくに「社会主義」「共産主義」の定義がソ連側とアメリカ側で違っているあたり。

3.「共産主義」と「社会民主主義」の分化
・レーニン以後に、資本主義の後に来るのは(1)労働者(直接生産者)が主人公になるが、まだ生産力の発展が完全でなく、生産財の公有化や「計画経済」、それに「反革命」に対する防衛のための国家が必要で、ひとびとは「能力に応じて働き労働に応じて受け取る」社会主義社会と、(2)生産力がもっとも発展し、世界中で資本主義が廃止されて国家も不要になり、ひとびとは「能力に応じて働き必要に応じて受け取る」完全に自由で平等な共産主義社会(まだどこにも存在しないが)、という段階分けがされる。

・ソ連などの「共産党」(ボルシェビキ型政党)が政権を握った国家は、現在は (1)段階にあって(2)段階をめざす「社会主義」国家、または(1)にもなっておらずこれから(1)に進もうとする「人民民主主義」国家(例:政権は取ったが生産財はまだ私有されている)のどちらかに分類される(すでに「社会主義段階」にある「人民共和国」など国名はいろいろで、発展段階と国名は一致しないことがある)。それらの国では、資本主義(およびまだ残っている封建制度)を廃止するための「暴力革命」や「プロレタリアート独裁」が必然として肯定される[注意:民主主義そのものを否定しているのではない。資本主義社会の「ブルジョワ民主主義」は不十分ないし偽善であり、それを乗り越えるためのやむをえない道筋だ、という理屈]。

←ただし、これらの国家以外では、「キリスト教社会主義」など宗教色を帯びたものも含め、さまざまな「社会主義」政党や運動が存続。またアメリカなど資本主義陣営では、ボルシェビキ型政党が権力を握った国家をすべて「共産主義国家」と呼ぶ[つまり「共産主義」という単語の用法がソ連側とアメリカ側でまったく食い違っている。同様に、ソ連側では資本主義国の「ブルジョワ民主主義」は格差や侵略を容認する偽善であり、自分たちの政権下にこそ生存権が保証され平和な人民の民主主義社会があるとしたが、アメリカ側では民主主義とは自分たちの「自由民主主義」のことで、共産主義はナチスなどと同じ全体主義の一種にすぎないと見なした]。

・「帝国主義国」ロシアでも多数派は農民。革命前の中国は資本主義が未発達な「半植民地・半封建社会」。そこでの社会主義は「労働者と農民の同盟」によるものとされ、「資本主義段階を短い期間で通過して(もしくは飛び越して)社会主義に進む」ことが可能とされたが、それはもともとマルクスが考えていた「資本主義が極限まで発達した後に来るプロレタリアートの革命」[先進国革命論]とは大きく違った「後進国革命論」だった[言わば開発独裁による経済成長の一形態としてのソ連型社会主義や、農民の空想的平等主義にもとづく「毛沢東思想」]。

・先進国の社会民主主義:「ブルジョワ民主主義」がかなり発達する一方で国家権力も強く暴力革命など不可能な20世紀の先進国では、議会政治を通じた段階的改革によって福祉社会などを形成し、資本主義の害毒をなくしていこうという「社会民主主義」がしだいに主流となり、それと対立していた仏・伊・日などの強力な共産党も議会主義・「平和革命論」に転換。先進国ではもう一方で、ソ連型・先進国型に共通する「大きな国家・政党」が、必然的にもたらす抑圧構造を批判し、より小さな範囲で柔軟・流動的な運動を展開しようとする「新左翼」が60年代に出現(日本の「全共闘運動」もそのひとつ←「無政府主義」や毛沢東思想の影響も)、その後の市民運動、住民運動、反差別運動などに大きな影響を与える(続く)。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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