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史学概論に対する学生のツッコミ、悩み...

水2の「歴史研究の理論と方法」、最終回は補足と総合討論をしたのだが、私が最後にだめ押しで日本史の批判(日本史業界だけが、それが日本史だということがわからないようなタイトルの本や論文を書いて平気でいる、という定番ネタほか)をしたこともあり、コメントカードには「うんざりした」という手厳しいのも含め、反発や疑問がいろいろ出た(それで日本史や他の分野の学生も考えてもらえればいいのだが)。

・複数の学生から質問が出たのは、「歴史イコール自国史という観念」は日本だけか、というものである。
これはもちろん日本だけではない。ただ日本の日本史は、きわめて研究レベルの高い専門家が、とても単純素朴な観念や習慣を維持している点のアンバランスが、他の先進国よりひどいように感じるが。
また、アジアの多くの国では最近まで、自国史と欧米の歴史には関心があっても「まわりのアジアの歴史」への関心は皆無だった。そういう点では「日本のほうがまし」である。ただそれは「まし」ではあっても「21世紀にそのままでよい」ことを意味しない。
・「日本史に閉じこもらずに外の歴史を見ろと言われてもどこを見ていいかわからない」などのコメントもけっこうあった。史学系一般について「とれる講義が少なく専門性が高すぎて、自分でなにをどう勉強/研究していいのかわかる機会がない、学生を育てることになっていない」という意見もあった。2回生では無理もないし「講義(とくに特殊講義)の内容が学生の状況を考えずに決定され、専門性が高すぎる」点は教える側の大きな問題なのだが--「研究方法」を身につけさせる場として重視される「ゼミ」も、史料読みはきっちり教えても、こういう学生に「研究方法」を体得させるものにはならない危険がある--、学生の方も「それをだれかが完成したマニュアルとして教えてくれるまで自分ではなにもしない」ということでは困る。少なくともこの授業を含めたレポート課題について、
・複数の参考文献を読んで、その違い・対立点を要約する。
・(可能ならそれに関する史料も読みながら)それぞれの説の長所と弱点を考えてみる。
・以上を整理して他人にわかるように書いてみる(書いたら、それを他人の目で読んでみる)。
ぐらいの練習はしてほしい。また史学系の専門課程学生というからには、高校での履修歷にかかわらず世界史・日本史両方の概説を(各1シリーズぐらいは)読んでおくものだろうし、人文系の専門研究の前提として「新聞を毎日読む」ことは、今でも不可欠ではないか。

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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