理不尽な要求

相も変わらず、「公務員は怠けていてけしからん、民間並みのシビアな感覚を持て」という議論がやまない。当たっている部分がないとはいわないが、おかしなところもある。

「国や自治体がなんでもやることはない。最低限の仕事以外は民営化すべきだ」という議論はまだわかる。が、「民間企業並みの経営マインドと成果主義を導入しろ」という意見は、すごく矛盾をしている。

民間企業がそれで大もうけをしたら賞賛される。だが、国や自治体が大もうけをしていいのだろうか。公務員の給与水準が民間より高いことがこれだけ非難を浴びる日本で、国や自治体が大もうけなどしたら、「民業圧迫だ」「税金を下げろ」と大騒ぎになるに決まっている。

要するに、民間に任せられない分野(つまり儲からない分野)を、民間並みの厳しさで、給料は民間以下の水準でやれということらしい。しかし、そのテのことをいう連中は決まって、金持ちについて「所得税が重すぎると頑張って働く気をなくす」という理屈を支持する。

つまり「努力したら自分がもうかる」という保証なしには、ダメなやつがどんどんクビにされる「民間」のシビアな働き方はできないと、自分で認めているのだ。そのくせ公務員には、「もうけるのは許さん、しかし駄目なヤツはどんどんクビだ」という仕組みを認めろと、自分にできないことを要求する。これでは聖人君子か、ウラでもうけるのが上手なヤツ(今の大阪に全国から群がりつつある)しか、公務員はつとまらない。

こういうのをダブルスタンダード、「理不尽な要求」というのだ。
まあ、日本の民間企業というのは、社員がノーベル賞級の発明をしてもまともに対価を払わないようなところも少なくないというから、「民間並み」イコール「働きが正当に報われる」なんていう意味合いは、最初から含まれていないのかもしれないが。それならそれで、「勝ち組」でないふつうの民間労働者が公務員攻撃で鬱憤晴らしをするというのは、悲しすぎないか?
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まとめtyaiました【理不尽な要求】

相も変わらず、「公務員は怠けていてけしからん、民間並みのシビアな感覚を持て」という議論がやまない。当たっている部分がないとはいわないが、おかしなところもある。「国や自治体がなんでもやることはない。最低限の仕事以外は民営化すべきだ」という議論はまだわかる...

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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