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出家するのはどんな人?

昨日のCSCD授業「歴史のデザイン」は、文化・芸術・宗教を担当する班が、教科書記述の状況や問題点などを紹介した。
図版などを使った新しい魅力的な解説も登場しているが、読んだこともない文学作品や見たこともない美術作品の作者・作品名を暗記させるという、「文化史」の欠陥は解消してはいない。
宗教史の場合、別の場所でも書いたが、キリスト教(特にプロテスタント)を「正常な宗教のありかた」とする史観で他の宗教が説明されていること、日本の戦後教育が軍事史と宗教史に「くさい物にフタ」をしてきたことなどが、問題にされねばならない。格差社会が続けば、食えない人間は寺院・教会(男女を問わず)か軍隊(男)、売春宿(女)に逃げ込むしかない、という鉄則が理解できない歴史教育を放置してはいけない。

発表のあとのディスカッションで、(他の授業でもよく使うネタなのだが)「近代以前の社会で、出家するのはどんな人だろうか」というネタを議論してもらった。
3つの班があるのだが、1つめの班は「権力争いに敗れた人」「貴族や支配者の次三男」「税役逃れをはかる庶民」など具体的な例をたくさん出してくれた。2つめの班は「権力・愛する人などなにかを失って、俗世を離れようとする人」「地位、学問などなにかを得るために出家する人」という、対照的な2つの方向性を指摘した。第3グループは、霊的体験をした人など、「きっかけ」を問題にした。どれも意味のある答え方である。さすがは阪大生。

いずれにしても、近代的な政教分離を前提に、単なる瞑想や修行、教義や儀式の場として宗教をとらえるのではなく、「俗人社会」とも重なり合った社会的(政治的、経済的、文化的、教育的...)な役割に着目しなければ、(前近代だけでなくポスト近代としての今日の)宗教を理解することにはならない。

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まとめtyaiました【出家するのはどんな人?】

昨日のCSCD授業「歴史のデザイン」は、文化・芸術・宗教を担当する班が、教科書記述の状況や問題点などを紹介した。図版などを使った新しい魅力的な解説も登場しているが、読んだこともない文学作品や見たこともない美術作品の作者・作品名を暗記させるという、「文化史」...

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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