市民のための世界史・第2週

今週は四大文明からオリエント・地中海、南アジア、東アジア・中央ユーラシアの古代帝国・古代文明までを80分でまとめてやっつけるという激しい授業(教科書を読んできている前提で、プリントを使って解説する)。

木曜6限、高度教養教育の「市民のための世界史S」は、「なぜ古代人は(不潔で病気も多いのに)都市に住もうとしたか」「漢字は純粋に表意文字か」「東アジアの太陰太陽暦はどんな暦か」などを説明していたら時間が足りなくなって、古代帝国の解体までいかなかった。

今日の5限の1回生向け「市民のための世界史III」のほうはそのへんをごく簡単にして、漢字の説明(漢字が表意文字だから筆談ができるという日本人の理解は、ことの半分しかとらえていない)は省略したので、古代帝国の解体まで予定通り進んだ。

どちらのクラスでも説明したのは、大規模な古代帝国が軍事力などの力だけで成立し維持されたのではないこと。被支配者が、逆らえないしそれなりに恩恵も感じられるような支配の仕組みが決定的であると説明した。
中華帝国が軍事的に超強力でない(遊牧民より弱い)のに、長期に帝国を維持できた背景に、経済力だけでなく普遍性の高い制度や文化の力があったこと、遊牧帝国が遊牧民の軍事力だけでなくオアシス民その他の経済力や情報ネットワークとの共生関係によって成立することなども、もちろん説明している。
それらの説明に、固有名詞を山ほど持ち出す必要はない。

今日の小テストは「ユーラシアの簡単な地図を書け」
来週の第2回は、「世界史上の古代帝国をひとつ選び、その民衆(帝国のどの部分のどんな民衆かも考えよ)にとって、帝国の全盛期が必ずしも一番幸せな時代でなかったことを、教科書や講義内容から例をあげて説明せよ」

英雄豪傑の歴史が好きで、大帝国が「栄えた」時代が(世界にとって、みんなにとって)いい時代だと単純に考えるような学生--政財界リーダーなどにもよくいる?--に複眼思考を教えるための問題である。

日本学術振興会などに出す若手の推薦状、科研費の交付申請書などなどこの時期は書かねばならない書類が多いこともあって、今週もとても忙しかった。おかげで明日の歴史教育研究会月例会の予告記事を書くのを忘れてしまった。
26日にソウルに行くまでに、全部仕事が片づくだろうか?
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセス・カウンター
あなたは
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR