震災・原発・ベトナム

震災1周年ももうすぐだ。
今日は日越友好協会・大阪府連の総会にランさんが来て、支援のお礼の挨拶をした。
お母さんは無事帰国して、ハノイの病院で療養中の由。赤ちゃんを育てながら博士論文を書かねばならないランさんもたいへんだろう。

在大阪ベトナム青年学生協会の副代表のリンさんもいっしょに来て挨拶したが、日本語がうまいので感心した。阪大での専門は地盤工学だそうだが、理系は英語だけで勉強して帰国する人も多い中で、かれの敬語までかなり正確な日本語はすばらしい。ベトナムの大学の「日本語の先生」でも、もっと下手な人はいる(私のベトナム語も同じ。。。汗)

今日の総会はこの数年とくらべると参加者が多かった。関連団体のV-Heartが南部でやっている障害者作業所がベトナムで有名になっていることが報告された。定年退職後にハノイに語学留学して「予想通り(失礼!)」会話は上達しなかったMさんの経験談なども、普通の学生の留学希望者にも伝えるべき貴重な中身を含んでいた。
 --自分に合った教え方の教師が最初から出てくるとは限らないので、まずい場合ははっきり意思表示すること。日本人得意の「我慢」はいけない。

あとの飲み会やそのまたあとの喫茶店などで、ベトナム反戦世代などのベテランが口角泡を飛ばして議論。
「大阪市に人権はないのか?}「ベトナムがTTPに賛成したり原発を輸入しようとしていることを、もっとはっきり批判すべきではないか?」などなど。

中身は私も賛成する点が多いのだが、大阪市長を支持する非正規労働者や、原発を進歩と信じるベトナム人に、「あなたたちは騙されている、真実を知れ」と言うだけでは全然ダメだ(とくに国内では正規労働者、ベトナム向けには先進国の「貧しい庶民」が言っても、感情的反発を買いかねない)という点は、わからない人のほうが多かったように思う。

とくに「ベトナムでは日本人全員が大金持ちに見えるのだ」「ベトナムの国家のしくみは、民間人や民間組織の「不可侵の自由」というものを想定してはいないから、いくらわれわれは日本政府とは別の立場で自由に発言するのだと言っても、その意味は理解されにくい」という点は、私は20年前から言い続けているのだが、残念ながらなにを言われているかわからない人のほうが多い。
そういうベトナムの状況を「遅れている」とだけ思うなら、それは「先進国の上から目線」でしかない。悲観的に言えばたぶん、こういうことがわからない人は、かなり初歩のところまでさかのぼって教育をやり直さないと、わからないだろう。

歴史教育でもしばしば見られる構図だが、こういう「What」が正しいかどうかだけ議論して「how」を考えようとしない人と、逆に「how to」だけに終始する人の乖離をどうにかしないと、世の中は変えられない。

帰宅後、昨深夜に録画しておいたゲルハルト・オビッツのシューマン「謝肉祭」、ブラームス「2つのラプソディ」その他を聴く。初めて聴く演奏家だが、「謝肉祭」は私が若い頃(ポリーニより少しあとに)夢中になったミケランジェリの演奏とはずいぶんちがっている。

さて、今週は会議がたくさんあり、その翌週はもうトロントでの国際会議AASだ。ペーパーはいちおうネイティブ・チェックも(膨大な修正が入って)すんだが、当日用のパワポを作らねばならない。最近のような頻度でのブログ更新はさすがに難しいかな。九州以外にも紹介したい路面電車がいろいろあるのだが。


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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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