海禁と朱印船貿易

中部本社版の朝日新聞に名大の入試問題が掲載されており、世界史で中島楽章さんと私の共著の「交易の時代の東・東南アジア」(『海域アジア史研究入門』所収)がリード文に使われているのを発見。名大は研究者の著作をよく使うようだ。

リード文の穴埋めや語句を答える問題以外に、「明朝の海禁=朝貢体制」「朱印船」についてそれぞれ説明させる論述問題が出ていた。世界史(アジア史)と日本史の接続にとって超重要なテーマなのだが、まだまだ現場できちんと理解はされていない。
朝日の解答例もあんまりいい解答ではなかった。高校現場でも、海禁=朝貢体制と日明貿易(通称「勘合貿易」)、いわゆる後期倭寇(および秀吉の朝鮮侵攻)、それに朱印船などを一連の流れとして結びつけた説明をしてほしい(琉球王国の盛衰もそこに入れれば完璧)。阪大では2007年の世界史の問題で、そういう理解を問う問題を出しているので、知らない方はこの機会にぜひ見ていただきたい。これらの流れと、16世紀に始まる「銀による世界の一体化」の両方を理解しないと、現在まで日本のありかたに影響している江戸時代の鎖国の意味がわからない、というのが海域アジア史のキモである。

蛇足で、ネットをみていて「海域アジア史研究入門」を「海洋アジア史研究入門」とまちがえて紹介してくれているブログを発見。中身は好意的なんだけど、タイトルは訂正してくれるといいな。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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