朝貢関係をつなぐ/動かす人々

しばらく前の話なのだが、友人Oさんからの問い合わせで、海域アジア史の場で再三紹介している増田えりか「ラーマ1世の対清外交」(『東南アジア-歴史と文化-』24、1995年、pp.25-48)について調べなおしたところ、河上麻由子さんの「中国南朝に対する仏教的朝貢」論に関連して、日本古代史の専門家のブログで詳しく紹介されているのを発見。
http://blog.goo.ne.jp/kosei-gooblog/e/06cd941c41653a769c33e605a4b039cb
こういう研究の相互乗り入れが進むのは喜ばしい。

豊臣秀吉の朝鮮侵攻に関連して、暹羅が明に助兵を申し出たという件に関する木村可奈子さんの「明代の対外政策と冊封国暹羅-万暦朝鮮役における借暹羅兵論を手掛かりに-」(『東洋学報』92-3、2010年、pp.29-58)もそうだが、シャムの対中朝貢のありかたは、東南アジア王権の中華帝国との向き合い方だけでなく、中国側の朝貢国に対する取り扱い、特に2つの王権の間を仲介する商人や官僚についても、多くのことを教えてくれる(木村論文も、増田論文や石井米雄、小泉順子らタイ史研究者の業績を引く)。
これまた海域アジア史で散々紹介してきたシャムの対東アジア貿易に関する飯岡直子「アユタヤ国王の対日貿易-鎖国下の長崎に来航した暹羅船の渡航経路の検討-」(『南方文化』24、1997年、pp.65-100)もまたしかり。

こういう「日本史や中国史の参考になる研究」がいろいろ出ているタイ史研究が、ベトナム史研究者としてはうらやましい気がする。

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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