遊戯史

伊丹にお住まいの増川宏一さんから、ご著書をいただいた。「遊戯史学会」を支えてこられた民間のすぐれた研究者である。

古代から現代までの日本の遊戯史を時期ごとに叙述され、終章では遊技史の研究史を紹介して「遊戯史学の構築」で本書を結ばれている。

アンソニー・リードの「交易の時代の東南アジア」にもゲームについて述べた部分があるが、将棋や囲碁、トランプにかるた、双六、麻雀に花札などなど、各種の遊び=頭脳スポーツが(ギャンブルとも重なり合いながら)社会史の重要な一部分をなしてきたことは間違いない。

ちなみに江戸時代には、武術や茶道・華道だけでなく将棋や囲碁の家元が存在した。吉原の高級遊女が囲碁をたしなんだとかいう話も聞く。サンドウィッチ伯爵がカードゲームに熱中するあまりに、ゲームを中断しなくて済むサンドイッチを発明したという話も有名だろう。

たいていの学者などよりは頭脳優秀な人間がやるプロのゲームの世界は、コンピューターに負けるとはいえ、人間の頭脳のすごさを示すものでもある。900手以上もかかる詰め将棋なんて、いったいどうやったら作れるんだろう。

脱線だが、この前のアジア大会では、体を動かすスポーツにまじって囲碁が競技として開催された。
将棋の経験者として思うが、囲碁や将棋の対局はその激しさ、殺気において、競技かるたに劣らず立派なスポーツである。将棋で50才をすぎてトップ10を維持できるプロ棋士はきわめてまれなのも、頭脳の問題だけでなく、集中力を維持できなくなる体力の低下がかかわっている。

プロの「順位戦」の記事を見て、団塊世代より上の加藤一二三さんや内藤国雄さんだけでなく、「団塊」の桐山清澄さん、それよりずっと若い南芳一さんなどがB級2組(上から3組目)も維持しがたくなっているのを見るのは、複雑な気持ちである。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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