関西の鉄道の面白さと危機

同僚のK先生から「大阪人」という雑誌(隔月刊)の「鉄道王国・大阪」という特集号をいただいた。

ちなみに、最新号(3月号)の「鉄道ジャーナル」も、「関西 魅惑の電車ネットワーク」という特集を組んでいる。

鉄道ファンの間では常識だが、大量輸送に徹し一般に没個性な首都圏の鉄道に比べ、関西の鉄道は個性が強い。
また私鉄路線の大半は国鉄-JRの補完に徹してきた首都圏と違い、関西は私鉄主導で鉄道網が形成され、私鉄と国鉄-JRや一部では私鉄同士が激しい競争をしてきた。小林一三時代の阪急に限らず、鉄道会社の経営戦略も多くが関西から発信されてきた。他社との接続の悪さなど、関西がよいとは言えない部分もあるのだが、関西と首都圏とどちらが「面白い」かといえば、それは関西だ。

初期のブログで自己紹介に書いたように、関東人の私が絶対関西の大学に入りたいと思った理由のひとつは、関西の私鉄、そして私鉄会社が経営するパリーグ球団にあった。

現在、電鉄会社を親会社とする関西のパリーグ球団はもうない。
電鉄会社そのものが、関西の地盤沈下とJRの攻勢の前で青息吐息だ。ファンの胸を躍らせた京阪間・阪神間での3社の競争も今は昔。
京都市電など関西が自分でつぶしてしまった「財産」もたくさんある。

ただ「過去の栄光」を懐かしむのでなく、首都圏との違いについて虚勢を張るのでもなく、JRや地下鉄を含めた関西の鉄道が、現在の危機を克服する新しいモデルを発信してほしい。京都市や堺市・大阪市南部にLRT網を張りめぐらすぐらいのことはやってほしいものだ。JR・私鉄の中小・ローカル路線にも、LRT化による市街地や他社線への乗り入れによって活性化できそうな路線があちこちにあるはずだ。

ついでに小さな話だが、「お上品で遅い」阪急宝塚線が、阪神・京急型の「下品でも早い」走り方に変わってくれないかというのも、私の深刻な願いだ。ダイヤと車両を変えれば、梅田行き急行は十三-梅田間でほぼ2分縮められるはずだ。新幹線に乗るために石橋-梅田-新大阪間をしょっちゅう移動する人間に、梅田の手前でのあのノロマな走りと阪急-JR間の長い長い通路(どちらも阪急が意識的に選んでそうしたもの)は耐えがたい。だからといって大阪モノレール~北大阪急行ルートで新大阪に行くのも、時間と値段の両面でひどい目にあう。ほかにも、同じ阪急で宝塚線南部から数キロ先を並行して走る千里線沿線に行くのがものすごく大変だ(自転車の方がよっぽど速い)という問題がある。こういう関西の弱点を解消できたらすばらしいと思うのだが。


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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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