ベトナム考古学の躍動
先日ちょっと書いて忙しいままに放っておいたベトナムの雑誌『考古学』2019年6号掲載の、タンロン遺跡で見つかった八角形建物遺構に関するファム・レー・フイさんとファム・ヴァン・チエウさんの共著論文。やっと読了。タンロン遺跡で発掘されたの宮殿名の同定(李太宗の時に建てられた天慶殿)についに成功しただけでなく、見つかった遺跡全体のプランとその変遷、それらに対する中国の都城モデル(複数形)の影響についての優れた見通しもいくつか示される。また、李朝の文献に出てくる「八角経蔵」について、中国・日本の文献・研究を引いてこれが建物ではないことを証明したところは、私も最近偶然に中国・日本の八角経蔵(要するに大蔵経などを収める八角形の巨大な回転式書架)と、その作り方を載せた宋代の『営造方式』という建築書についての博士論文を続けて読んだところだったので大いに納得。参考文献にミスや抜けが若干見られるがそれはご愛敬ということで、とにかく画期的内容。
他にもこの号には、故ハー・ヴァン・タン教授の業績に関するトン・チュン・ティンさんの論文、それに雲南省との国境に位置するハーザン省で発掘された陳朝寺院址で見つかったチャンパ系?遺物の報告、西村昌也さんも関わったクアンガイ省の沈船(唐末のチャウタン沈船と元代のビンチャウ沈船)の研究なども載り、読みどころが満載である。
他にもこの号には、故ハー・ヴァン・タン教授の業績に関するトン・チュン・ティンさんの論文、それに雲南省との国境に位置するハーザン省で発掘された陳朝寺院址で見つかったチャンパ系?遺物の報告、西村昌也さんも関わったクアンガイ省の沈船(唐末のチャウタン沈船と元代のビンチャウ沈船)の研究なども載り、読みどころが満載である。
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