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「やり方を変える」ことへの熾烈な抵抗

昨日の毎日新聞朝刊(大阪本社版)科学欄のコラム「坂村健の目」は「自動ハンコ押しロボット」。
未決箱の色々な書類を仕分けしたうえで画像認識して必要な場所に押印できるロボットの開発のニュースについて、「開発力を誇るためにユーモラスな遊びで開発した」商品かと思ったら、「金融機関や自治体などデジタル化が進んでいない業界の押印作業を効率化する狙いで」本気で商品化する狙いだという点を、「こういう機械に需要がある日本という国の状況は心配だ」と述べる。なぜそもそもハンコ主義をやめて文書を電子化するという世界の流れに乗れないのかという話である。

「現場が優秀」はよくいわれる日本の美点だが、結果として文句をいいながらも構造的欠陥を現場の運用の工夫でカバーしてしまい、抜本的改革の必要が表面化しないという傾向がある。それどころか「やり方」を変えたくないとする国民性は確かにある...

大学も同じ。自分が体で覚えたやり方を変えることには、(面従腹背も含めて)熾烈な、本当に熾烈な抵抗が起こる。
理屈で理解する方が楽なことでもそうせずに、苦労して苦労して体だけで覚えるから、やり方を変えることには自分でも説明できない違和感があるのだろう。

しかしこのやり方は、「ガダルカナルの戦い」から「過労死日本」まで負の結果を生む危険も大きいことは、教育にたずさわる者が力を込めて教えねばならないことがらだろう。それを十分認識も言語化もできないような歴史学者や歴史教員がたくさんいる日本と
いう国の状況は、やっぱり心配だ。
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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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