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ベトナムの2045年国家ビジョン

ベトナムのニュースを載せているVIETJOから。
https://www.viet-jo.com/news/economy/190220083043.html?fbclid=IwAR0ZFC4Pc50gMKdTdlxl5JH_7D6IkrTQFGdCT_EBeBEVMvvtxG_TwyTVjdM
ベトナムが2045年に先進国・高所得国の仲間入りをするという計画をフック首相がぶち上げたそうだ。

2030年の具体的な目標は、1人当たり国内総生産(GDP)がマレーシアの2010年時に相当する1万8000USD(約200万円)以上。人口の50%強が都市部で暮らす。工業とサービス業がGDPに占める割合は90%余り、雇用者数に占める割合は70%余り。民間セクターがGDPに占める割合は80%以上となる。
 2045年のビジョンについてフック首相は、「ベトナムは先進国(developed country)になる」とし、高所得国の一員となり、世界競争力ランキングとビジネス環境ランキングで上位20位以内を目指すと強調した。

とある。ベトナムに関心のある(ベトナムで/ベトナムと仕事をしている)日本人のあいだでもいろいろな意見が出ており、「高度成長期の日本のような可能性がある」「まだ先進国にふさわしくない点がたくさんあり、そこを変えねば無理だ」の2つのタイプが多いようだ。

しかしこれは、どちらも「浅い」。
日本の高度成長は戦前にすでに経済・工業大国だった歴史と、1950~70年代の世界・アジアの特殊な背景によってはじめて可能になったことである。ベトナムは戦前日本のような経済発展と工業化の歴史をもたないし、「石油が当時のように安くない」「中国と競争しなければならない」「少子高齢化がまさに始まろうとしている」など、高度成長期の日本より不利な条件をいろいろ抱えている。韓国・台湾やマレーシア・タイの経済成長ともまた条件が違っている。もちろん別の新しい要因で高度成長がおこることはありうるが、国ごと・時代ごとの条件の違いを無視して「勤勉な国民性が似ているからうまくいくだろう」などというのはレベルが低い。

では「ルーズな国民性と技術や法律のいい加減さ」「一党独裁」などのために、「中進国」以上には進めないという見方はどうだろうか。アジアの「開発独裁政権」や中国の経済成長の歴史もさることながら、いい加減でルーズだと先進国になれないのだったら、イタリアはどうして先進国でいられるのだろう(イタリア人には失礼だが)。また高度成長期前半までの日本は、相当いい加減で不潔な社会ではなかったろうか(私は覚えているぞ!!!)。これも世界の状況とその国の位置などを見ないで一般論をいくらしても仕方ないのだ。

この間、歴史教育について論じてきたことに結びつければ、どちらもいけないのは、具体的な状況(その国がもつ背景や置かれた状況などの「文脈」)を見ずに、一般論だけで判断することだ。英米流の現在の教育改革の背景に大目標は、「文脈の読み取り」にもとづく思考力や判断力の育成である。多元的市民社会を建設・維持するには不可欠な能力だろう。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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