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(歴史の公式)魔女狩りの先頭に立ったのはどういう人々か

この間、政府批判とか自分が所属する組織の批判をする人々に対して「イヤなら日本を出て行け」「イヤなら別の組織を探せ」というような攻撃がよく浴びせられる。別の面ではちゃんとした意見をもっている立派な知識人でもその手のことを平気でいう人がいる。
そこで思い出すのが、歴史の常識にしなければならない事柄の一つ。近世ヨーロッパで魔女狩りが荒れ狂った際に、先頭に立ったのはだれだったかという話。全体の割合などは知らないが、イベリア半島では「最近キリスト教に改宗したばかりの元ユダヤ教徒やイスラーム教徒」が魔女告発の先頭に立ったと言われる。これは「戦時中にバリバリの軍国主義者だった日本人が戦後に左翼が強くなるとその先頭に立つ」「都会に出てきたばかりの田舎者ほど都会を賛美し田舎をけなす」などなど歴史上に類例がたくさんある。要するに立場を変えた人間は信用されない。それを新たに自分が所属したところのマジョリティに信用させようと思えば、「昨日の仲間を叩く先頭に立つ」しかない。植民地で抵抗をあきらめて「植民地協力者」の道を選んだ人間が、反植民地運動をつぶす先頭に立たざるを得なくなるというのもよくあった話だ。
つまり「イヤなら出て行け」論や、その前提にある「不満な状況に陥るのは自己責任だ」という考えにも、最近成り上がった人々を含め、その陣営に「過剰適応」している人々がその先頭にたっているんじゃないかということ。それはより大きくいうと、自己責任論とか植民地支配などの支配構造に踊らされているというのは、何もマルクス主義でなくても明らかなのだが、こういう人々が増えてくれると、本当に魔女狩りをしたい人々、反植民地運動をつぶしたい人々は笑いが止まらない。反政府運動に立ち上がった若者に「大人に操られている」などとけなした人々もたくさんいるが、そういうい人々こそ「自己責任論」「イヤなら出て行け論」に「自分で操られている」というべきだろう。

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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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