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東南アジア学会関東例会のご案内

日時:2018年11月17日(土)13:30~17:45
場所:東京外国語大学 本郷サテライト4階セミナー室
*地下鉄本郷三丁目駅より徒歩5分(http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html)

☆第1報告(13:30~15:30)
報告者:茅根由佳( 京都大学東南アジア地域研究研究所 )
題目: 現代インドネシアにおけるシーア派排斥運動の起源と展開
コメンテーター: 横田貴之(明治大学・准教授)

<報告要旨>
本報告では、従来穏健であると見なされてきたインドネシア最大のイスラーム組織ナフダトゥル・ウラマー(NU)に着目し、近年シーア派に対する排斥運動が多発している要因を明らかにする。NUに関する先行研究は多宗教の共存を説き、少数派の権利を擁護する穏健な指導者たちの役割を強調する一方で、同組織における排外的勢力の存在を等閑視してきた。そのため、なぜ1998年の民主化後にNUのメンバーによるシーア派排斥運動が生じるようになったのか、その理由を説明できない。
本報告では以下の仮説を検証する。NU内における反シーア派意識は、抑圧的なスハルトの権威主義体制によって不可視化されてきた。しかし民主化後、シーア派排斥のアジェンダはシーア派に脅威を抱くメンバーの共鳴を広く得ただけでなく、穏健派指導者たちに批判的なNU内外の反抗勢力の凝集性を効果的に高めた。これらの仮説の検証を通じて、本報告ではこれまで見落とされてきたNU内の多様性のみならず、宗教的正統性をめぐる諸勢力間の競争とダイナミズムを示す。

☆第2報告(15:45~17:45)
報告者:山本博之(京都大学東南アジア地域研究研究所)
題目:二重写しの国民的英雄――マレーシアの映画が描くハントゥアの正義・公正観
コメンテーター:弘末雅士(立教大学・名誉教授)

<報告要旨>
東南アジアのナショナリズムは、多様な背景を持つ人々が自らを運命共同体であ
ると認め合うことと、異民族による植民地支配から自らを解放することという2
つの側面を持ち、前者は独立後も課題であり続けている。従来のナショナリズム
研究が新聞・雑誌の役割に注目したのに対し、本報告では映画に目を向け、独立
後のマレーシアにおいて、国民的英雄の官製イメージが強化される裏でその対抗
イメージが創出され浸透していった様子を明らかにする。マレーシアの国民的英
雄ハントゥアは君主に忠誠を尽くすマレー人社会の勇者として知られ、その物語
は教科書や叙勲を通じて国民に教化されたが、他方で映画では残忍・不正な君主
への反逆に重きが置かれ、その結果ハントゥアと仲間の物語は対立する2つの正
義・公正観を纏うことになった。2000年代以降の「ハントゥアは中国人か」など
の論争を経て、今日のマレーシアでは理想の国民的英雄に動揺が見られる。

**************

例会終了後、18時から19時頃まで、同会場にて簡単な懇親会を予定しております。
ご不明な点は、関東例会(kanto-reikai[at]tufs.ac.jp)までお問い合わせください([at]を@にして下さい)。
関東例会のブログ(http://kantoreikai.blog.fc2.com/)には、過去の議事録も掲載しております。ぜひご参照ください。

関東例会委員
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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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