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歴史学方法論講義「文化・情報・メディアの歴史」

今日の「歴史学方法論講義」は文化・情報・メディアについて。別に私の得意分野ではないのだが、学界の激変や現代社会での重要性が、社会史やグローバルヒストリーと比べても、高校教育界や主流派歴史学にあまり反映されていないので、毎年力を入れている。この領域が理解されていないことは、有権者の判断・行動に大きな影響を与える「印象操作」を、「本質をごまかす小手先の手段」としか見ない人々(素朴な「本質主義」に縛られた人々)がいつまでたっても政権を取れない状況などに、明らかに影響している。

この回の枕で毎年言うこと。「政治や経済など現実のどろどろした世界とは違った清らかな世界」として文化・芸術をとらえる見方はもはや古い、そのつもりで進学していた学生は「残念でした」になるということ。教育も同様で、政治性を帯びない教育などありえないということ。たとえば今までの世界史教科書の文化史(芸術史や宗教史を含む)を忠実に教えることは、ヨーロッパ中心主義やキリスト教中心主義、オリエンタリズムなどを学習者に刷り込むことであり、強い政治性を帯びている。

文化から離れるが、今までの世界史教育が強い政治性を帯びている例としては、(1)英米型二大政党制を政党政治の理想とすること、(2)同じく英米式の農業大規模化を人類普遍の進歩であると描くこと、などたくさんある。
(1)は「自民党vs都民ファースト」という都議選報道の様式に影響していないだろうか。自民党批判を昔社会党、今民進党支持に短絡する有権者(知識人にも多い)の心理に影響していないだろうか?
(2)に関連して高校教員の皆さん、19世紀に穀物法を廃止したイギリスが、第二次大戦後(覇権を失ったのち)にどんな農業政策をとったかご存じですか? これは今後の日本の針路にかかわる重大問題です。
教員の皆さん、これらのことを意識して世界史を教えていますか?

さらに脱線。「青年イタリア党」「青年トルコ党」とはもはや教えない。それなのになぜ「西山党(の反乱)」と教え続ける?
ポリティカルコレクトネスの面で大きな問題のある用語なんだけど(この話は10年前に何度もした)。


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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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