大阪大学歴史教育研究会第100回例会のご案内

よく続いたものだ。皆さんのご協力に感謝。

大阪大学歴史教育研究会第100回例会につきまして、以下の通りご案内申し上げます。

日時:2016年11月19日(土)13:30~17:30

会場:大阪大学豊中キャンパス文学研究科本館2階大会議室

プログラム:
【1】中村 翼(大阪大学大学院文学研究科助教)
 「映画「もののけ姫」を用いた大学教養教育としての日本中世史概説の試み」
【報告要旨】
 宮崎駿の代表作の一つ「もののけ姫」は、15世紀後半頃の日本を舞台とし、かつ歴史学の成果をふんだんにとりいれた作品として知られている。そのため、日本史(とくに中世史)の教材として活用している大学・高校教員は多いと思う。ただ、その活用にあたっては、劇中にいくつかある定番のシーン(たとえば、市や被差別民の描写)を切り取ってみせるというのがほとんどではなかろうか。とはいえ、この映画は、これ一本で中世史(11~16世紀)の主要な論点を概観しうるポテンシャルを持っている。
 そこで本報告では、大学教養科目としての日本史教育に関する一つの試みとして、「もののけ姫」をフル活用した日本中世史概説のプラン(1セメスター/90分×15回)を提示してみたい。それを通じて、(多くの大学・高校教員は、中世史だけに90分×15回も時間を割けないはずなので、)教養教育として日本中世史を扱う際のエッセンスをどこに求めるのかについて、議論ができればと思う。
 なお、当日は、「もののけ姫」を使った小ネタリストも用意する予定なので、教材研究の一環としても、ぜひお越し下さい。
 
 参考文献:中村翼「もののけ姫」藤川隆男・後藤敦史(編)『アニメで読む世界史2』山川出版社、2015年
 
【2】高木純一(大阪大学大学院文学研究科特任研究員)
 「里山・棚田・鎮守の森 ―日本の村と「日本の原風景」を考える―」
【報告要旨】
 里山・棚田・鎮守の森... 環境破壊、資源枯渇、過疎化等による地方の衰退といった現代的諸課題に直面するなかで、これら日本の伝統的村落景観は、自然との共生や持続的な資源利用を体現するものとして注目され、高く評価されている。これまでは環境学や生態学がその研究を主導してきたが、近年ようやく歴史学のコミットが見られるようになり、その歴史的な成立過程や実態が解明されつつある。その成果においては、これらの景観がともすれば往古以来不変の存在であったかのように捉えられがちであることや、今日失われつつある古き良き、懐かしい“日本の原風景”として理想化されてしまうといった問題が指摘されている。本報告ではこうした点を意識しつつ、最新の研究成果に基づくこれらの“日本の原風景”の実像を示し、併せてその景観を作り上げた主体である中・近世の村落や、それを取り巻く環境等についても言及したい。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセス・カウンター
あなたは
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR