先行研究の疑問点?

若者の言葉遣いが気に入らないと感じるのは、自分が年を取った証拠だろう。

そのことを承知で書くのだが、歴史学入門講義(歴史研究の理論と方法)のコメントカードや、東洋史の「論文紹介」「卒論発表」などのレジュメにおける学部生の言葉遣いを見ていて、とても気に障る表現がある。

それは、入門講義である領域の代表的な研究・理論の解説を聞いた際、論文紹介や卒論発表で先行研究のまとめをする際などに、単に自分がわからないこと、知らないことを「(その研究の)疑問点は○○、××である」としたり、「○○、××について疑問に思った」と表現することである。疑問点というのは、その研究が本来論じるべきであるのにしていない事柄、論じてはいるがその論がおかしい事柄などについて使うというのが、私の言語感覚である(つまり相手の立論や論の構成を疑う/批判する際に使う)。学部生レベルでは「自分がわからない」ことと「その論文が客観的な不十分さをもつこと」の区別がなかなかつかないという点を割り引いても、「わからないこと」はなんでも「疑問点」「疑問に思う」と呼ぶのは、上手な日本語表現とは言えない。

これは、「恥ずかしがらずに、間違っていてもいいからどんどん発言しよう」というのとは全く別の問題である。

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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