日本マレーシア学会関東地区研究会2016年度第1回研究会のお知らせ

忙しくてブログが書けない間に、いろんな会の案内が来ている。今回の話題もとても面白そうだ。

日時:2016年4月23日(土)14-17時
場所:立教大学池袋キャンパス 5号館 5203 (https://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/)
発表者:タン・カイ・シャン(マラヤ大学言語学部/立教大学大学院観光学研究科)
タイトル:「マレーシアにおける日本語観光ガイドの評価について:会話分析を手がかりに」
コメント:是永 論(立教大学社会学部教授)

要旨:
本報告では、サービスエンカウンター(観光産業従事者)の母語と観光客の母語の間にポライトネス表現(配慮表現)の大きな差が存在する場合の「接遇」の場面での会話構築を、マレーシアの日本語観光ガイドを事例に検討する。
海外パッケージツアーや現地オプショナルツアーは、観光客に観光資源や食事や移動手段の確保といった「便宜性」「快適性」を提供し、添乗員や現地ガイドが同行する「安心感」「快適性」を備えた優れた旅行商品の一つである。ツアーの中で、観光ガイドは重要な存在であり、特に、ゲストが海外で言語が通じない場合、コミュニケーションを円滑にするため、通訳者として観光者にサービスを提供する。経営学による調査結果から、日本人観光客が海外で観光ガイドに求めるものは「接客態度」が最も多く、次いで「充分な現地情報提供」「観光地案内や説明」「語学力」の順に重視されていた。
マレーシア人日本語観光ガイドに関する先行研究として、観光ガイドのコミュニケーションの手法や特徴の研究と、観光ガイドの日本語レベルの考察の研究がある。そのうち、非母語話者ガイドの評価研究では、マレーシア人日本語観光ガイドに求められる日本語能力と評価の側面を考察し、日本語能力試験旧3級(N4)相当が日本語観光ガイドに求められている言語能力であることを明らかにし、必ずしも高度な日本語能力で観光ガイドが評価されると限らず、コミュニケーション能力や言語能力以外に重要な要素があると指摘している。
一方、観光ガイドに限らず観光業従事者を対象とした先行研究は、人類学、社会心理学、経営学などの分野では散見されるものの、日本語教育研究ではその蓄積が十分ではない。現地マレーシアでは、ヘリテージツーリズムにおける観光ガイドの通訳者としての研究があり、観光ガイドの役割や重要性が指摘されている。一方、社会言語学的視点から、サービスエンカウンターにおける会話分析が可能であろうと指摘されているが、日本語観光ガイドについての研究は少ない。
こうした研究状況から、ツアーの中で日本語観光ガイドはさまざまな重要性を持ち、日本人ゲストが観光ガイドに求める要素は接客態度であることがわかる。それは観光ガイドの言語能力以外の要素と言えよう。しかし、観光サービスエンカウンターについての会話分析研究も日本語教育研究も稀であり、あいづちやフィードバックについての分析はあるが、ポライトネスに注目したものは数少ない。本研究では、フィールドワークによる録画資料を踏まえ、日本語観光ガイドのポライトネスに関する会話分析に焦点を当て、コンタクトゾーンにおける精緻なコミュニケーション研究を目指すこととする。


なお、第2回は5月21日を予定しております。
また、Facebookでも研究会情報を発信いたします。
Facebookグループ https://www.facebook.com/groups/136821259779588/
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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