東南アジア学会関西例会のお知らせ

4月9日(土)に東南アジア学会関西例会「東南アジア島嶼部の政治社会変容」特集を開催いたします。オープンな研究会ですので、事前の参加登録の必要はございません。多数の方のご参加をお待ちしております。

【日時・会場】
日時:2016年4月9日(土)14時~18時(13時30分開場)
会場:京都大学東南アジア研究所稲盛財団記念館3階中会議室
(http://www.cseas.kyoto-u.ac.jp/access/)

【内容】
(1)前半:(発表45分間×+事実関係の質疑応答各5分)×3人
●報告1 14:00-14:50
西尾善太(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、博士後期課程)
「災害対応のなかの都市変容-マニラ首都圏における社会階層の持続と変化を事例として-」
●報告2 14:50-15:40
金悠進(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、博士後期課程)
「インドネシアにおける改革派リーダーの台頭-「創造都市」バンドンを事例に-」
●報告3 15:40-16:30
長谷川拓也(筑波大学人文社会国際比較研究機構、非常勤研究員)
「インドネシアにおける自治体の予算編成過程と市民参加の促進に向けた取り組み―西スマトラ州の事例から見える現状と課題」

コーヒーブレイク 15分間

(2)後半
●コメントとそれへの返答40分間 16:45-17:25
コメンテーター
見市健(岩手県立大学総合政策学部、准教授)
日下渉(名古屋大学大学院国際開発研究科、准教授)
●オープンの質疑応答17:25-18:00

【報告要旨】
①西尾善太(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、博士課程)
「災害対応のなかの都市変容-マニラ首都圏における社会階層の持続と変化を事例として-」
異なる社会階層・民族・宗教が混淆する都市空間では、災害を契機に政府による災害管理政策が採用・実施され、それが集団間・階層間の境界線を明確にする一方で、逆に災害管理に対する住民の災害対応がこうした境界線を再編・変化する契機ともなっている。本発表はマニラ首都圏を襲った2009年のオンドイ台風以降の災害管理と住民による災害対応に着目し、「危険区域」に位置するスラム地区の立ち退きと再定住をめぐる対立・交渉・妥協による社会階層の変動を考察し、都市の地理的相貌と社会経済的編成に関する新たな研究視角を提示する。

②金悠進(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科、博士後期課程)
「インドネシアにおける改革派リーダーの台頭-「創造都市」バンドンを事例に-」
本発表は、近年インドネシアで顕著にみられる改革派リーダーの政治的台頭の背景を、バンドン市を舞台に中長期的視点から明らかにする。2013年バンドン市長選挙で大勝したリドワン・カミルは行政経験を持たないアウトサイダーであった。人気市長誕生の背景には、じつはスハルト権威主義体制期における非政治的な若者たちの趣味的文化実践があった。90年代以降開花したインディーズ音楽、インディーズ・ファッションの先駆者となったのはバンドンの若者たちであった。彼らの文化実践はリドワン・カミル等様々なアクターによって「創造的」(インドネシア語でクレアティフkreatif)という空虚な言説によって表象されていった。このような若者の文化実践と創造的意識改革との相互作用過程のなかでリドワン・カミルが政治的に台頭した。

③ 長谷川拓也(筑波大学人文社会国際比較研究機構、非常勤研究員)
「インドネシアにおける自治体の予算編成過程と市民参加の促進に向けた取り組み―西スマトラ州の事例から見える現状と課題」
本発表は、西スマトラ州ソロック県の予算編成過程を取り上げ、自治体予算の情報公開や市民参加の促進に向けた取り組みについて議論する。同県は、援助機関のガバナンスに関するプログラムが多く実施されているところでありながら、市民参加に関する取り組みは非常に形式的なものであった。それが端的に表れるのは、予算決定の最重要過程となる地方議会と行政幹部との話し合いが、形式的に議会堂で行われた後、公表していない日程に従って県外のホテルで密室で行われているという点である。こうした慣例は他地域でも見られるものであり、同県の事例は、インドネシアでの市民参加の実践における様々な限界点を示すものであると言える。

*********
・例会終了後には懇親会も予定しております。こちらもぜひご参加ください。
・以下の関西例会ウェブサイトもご活用ください。
https://sites.google.com/site/kansaireikaitounanajia/li-huinoo-zhirase

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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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