路面電車沿線でマンション増加

下で紹介した路面電車年鑑によれば、富山、札幌などで路面電車沿線でマンション建設が増えているそうだ。郊外の戸建て住宅では暮らしにくい高齢者などが、病院その他の公共施設のある路面電車沿線に集まってきている由。

海外のLRTに習って、路面電車を便利にする施策もずいぶん普及した。
高知・豊橋や横川、高岡、そして富山など、路面電車の「駅前」電停(けっこう歩かないと鉄道に乗り換えられない)を駅に直結する構造に造り替えて効果を上げる路線が増えている。すすきのと南4丁目をつないで環状運転を可能にした札幌では、新設区間の線路を車道の中央でなく車道の両端に設置し、歩道から直接乗車できるようにした。
福井(福井鉄道)の市内線では、別企業の郊外鉄道(えちぜん鉄道)との相互乗り入れと「駅の出口を出ても見えない「駅前」電停」の「駅の真ん前への移設」がセットで、間もなく開始される。
車両側でも各地で、電停から同じ高さで乗り移れる超低床車が当たり前になっている。

長崎で路線延伸案が最終的に放棄されたという残念なニュースがあるが(長崎新幹線完成時にも、市内移動の時間を延ばすJR駅乗り入れをしないという、富山とは逆の決断をしたそうだ)、広島では高架でJR広島駅に乗り入れる計画があるそうだ。そして、最も注目を集めている宇都宮市・芳賀町によるLRT新設(宇都宮駅と工業団地を結ぶ)は営業主体が決まり、採算性を疑っていた市民も、採算性調査をおこなうたびに黒字見通しが拡大するので、おおむね納得しつつあるとのことだ。純粋な路線新設である宇都宮の計画が実現したら、インパクトは大きいだろう。

もうひとつ、路面電車EXの方に、広島電鉄の女性車掌の記事が載っていた。単なる「鉄子」ではなく留学経験があって英語が話せる人で、最初東京の電車の車掌になったが、もっと乗客と触れあえる広電に転職し、宮島への外国人観光客の案内など含めて活躍しているのだそうだ。すばらしい。ちなみに日本でも最近は、海外からの観光客が路面電車を夢中で撮影したりする例が紹介されている。

同誌にはまた、アメリカ太平洋岸のポートランドでの、LRTを中心にした街作りの成功例なども紹介している。路面電車による中心市街再活性化が見事に成功したそうだ。

何度も何度もしつこく書いてきたが、「路面電車イコール古い、不便、交通の邪魔、赤字」という考えは、「時代遅れになった高度成長期の発想」の典型的なものの一つである。いい加減に卒業しよう。

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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