エマニュエル・トッドの家族人類学

フランスの社会情勢と移民の位置について、トッドの家族類型をもとにした解釈が日本のマスコミなどでもてはやされている。
しかし、こういう単一の要素ですべてを説明するやり方は、いかに「素人受け」しようとも、現在の学知としての歴史学のあり方から見れば、中身を知らなくても古いと判断できる。

もうひとつの問題は、かれが掲げる家族の4類型で、日本以外のアジアはイスラーム社会も中国も全部いっしょくたにされてしまうこと。これも「オリエンタリズム批判」でこういうのはダメだよと証明されているのだが。ヨーロッパないし欧米だけを細かく分析して、非欧米世界はいい加減な知識で十把一絡げにするやり方は、「世界」の認識のためにはもはや正当化できるものではない。

日本でこういうのを有り難がり続けるのは、いい加減に卒業しないと日本が滅びる。先日紹介したミネルヴァの新しい西洋史の教科書は、そういう考えをはっきり示している。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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