PISA調査

平田オリザさんから教わった話だが、PISA(国際学力調査)での日本人受験者の特徴として、「正解がひとつでない問題だと白紙回答率が急上昇する」という点があるそうだ。

「ひとつだけの正解を丸暗記する」勉強のせいで、正解がひとつでない問題を見るとフリーズしてしまう子供が多いのだろう。そういう教育は昔からだから、大人も同じことだ。

一例をあげれば、昔の学生運動の「今こそ革命だ」という声とおなじようにワンパターンで年中繰り返される「公務員や議員を減らせ」という声。

それを言っているひとたちは、たとえば日本政府の毎年の歳入(国債を除く)と支出の差額は、国家公務員の賃金をゼロにしても実は埋まらないことなど知ろうとしない。

数日前に原子力安全・保安院がらみで報道されたのは、日本は米国などとくらべて原発の安全検査の要員(公務員そのものでなく独立機関に属するものだろうが、それでも運営費は公共のカネだろう)がケタ違いに少ないから、電力会社側のお手盛りの検査を追認するだけになる、という話である。こういうふうに、公務員ないし公共の要員が「先進国を名乗るにはあまりに少ない」分野はたくさんある。

また「公務員と議員を減らせ」という声はたいてい、国や自治体も民間企業並みの厳しさをもつべきだと繰り返すが、「儲けねばいけない民間」と「大赤字はもちろんダメだが、しかしあまり儲けてはいけない公共」という根本的な原理の違いを考えたうえでの声とはとうてい思えない。

こういう問題を複眼的に考えることができずに、ただ漠然と「公務員と議員を減らせ」と「ひとつの答え」を繰り返すだけの大人が多いのは、この国の教育の貧困というものだろう。

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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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