『市民のための世界史』へのアマゾンでの辛口カスタマーレビュー

12月に以下のレビューが書き込まれたのを今ごろ気づいた。

「市民のための・・・」というタイトルだが、まだ、人名・地名・その他の固有名詞を重視する傾向が抜けてない。コロンブスとか満州事変とか太字で書いても意味がない。高校教科書の影響か?もっと、事件の背景や理由を詳しく書いてほしい。単に事実を羅列するのでなく、国や民族の間にどのような欲望や利害対立があって、そのような結果が生じてきたのか。そういう部分をもっと掘り下げてほしい。真の歴史はもっと泥臭く人間的であるはず。またコラムが多用されているが、本文の途中に唐突に出現するので、中断された感じになって、読みにくいことこの上ない。しかも、コラムの内容が突出してディテールなのは違和感がある。

いちいち反論とかいうのはルール違反だろうが、2点だけ書いておきたい(じゅうぶんきつい反論だがw)。
(1)あなたがそういう風に感じたことはわかる。しかし世の中にはあなたと違った読み方やあなたが想像するのと違った教科書の書き方もあるかもしれない、自分の読み方が絶対ではない、という発想は絶対にもっていただきたい。違った読み方の可能性を考えたうえで、それでも納得できないものは遠慮なく批判したらよろしい。しかし自分がなんとなく持っている(理屈立てて考えたわけでない)「あるべき教科書像」に合わないからといって、反射的に反発するのは「考えて議論をする訓練」が足りないのではないだろうか。
(2)本書は序章に書いてあるとおり、これまで体系的に世界史を学んだことのない読者に、限られた紙幅の中で最低限の大づかみな基礎知識を提供することを第一の目的としている。そのため、人間ドラマの詳細を描くことは、コロンブスや満洲事変という単語を教えることより優先順位が低くなる(本書は受験のための膨大な暗記を強く批判するが、固有名詞の知識が皆無で歴史の学習が出来るとは考えないことは書中に明示してある)。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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