東南アジア学会関西例会の案内

昔は「東南アジアの話が聞けるのはここだけ」という感じで大勢が集まったのだが、このごろはみんな忙しくて、参加者も多くないようだ。状況を変えるにはどうしたらいいか。

>11月14日(土)の関西例会「東南アジアにおける宗教と少数民族特集」について改めてご案内いたします。

多数の方のご参加をお待ちしております。

【日時・会場】
日時:2015年11月14日(土)14時~18時(13時30分開場)
会場:京都大学吉田キャンパス 総合研究2号館AA401号室
※百万遍の交差点近くの京都大学北門から入りすぐ左手の建物です。
(地図内34番の建物が総合研究2号館)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/yoshida/map6r_y/

【内容】
■報告1(14:00~14:45)
小林寧子氏(南山大学)
「第33回ナフダトゥル・ウラマー全国大会――総裁選出方法をめぐる対立――」

コメントと討論(14:45~15:15)
コメンテーター:清水展氏(京都大学東南アジア研究所)

■報告2(15:25~16:15)
岡田雅志氏(大阪大学)
「ベトナム北部山地の首長権力と鉱産資源:18-19世紀のトゥロン銅山の生産と流通を中心に」

■報告3(16:15~17:05)
尾上智子氏(大島商船高等専門学校)
「フィリピン・カリンガ州パシルにおける文化変容に関する人類学的考察」

コメント(17:10~17:20)
コメンテーター:清水展氏(京都大学東南アジア研究所)

討論(17:20~18:00)


【報告要旨】
報告1.小林寧子氏

*「第33回ナフダトゥル・ウラマー全国大会――総裁選出方法をめぐる対立――」*インドネシア最大のイスラーム団体ナフダトゥル・ウラマー(NU)は、5年に一
度の全国大会を、その発祥の地とも言えるジョンバン(東部ジャワ)でこの8月
初旬に開催した。大会は総裁選出方法をめぐって紛糾し、内部対立が白日のもと
にさらされた。報告では、この対立はなぜ起きたのか、その背景をさぐる。一見
するとNUエリート間の対立に外部勢力(政党)の干渉が加わって深刻化したよう
に見える。しかし、NUが長期に抱える組織編成上の問題から考察することにより、
NUの組織改革に向けた動き(思考錯誤)を明らかにする。同時に、新しい時代に
おける最高指導者としての総裁(ライス・アム)の役割を考える。

報告2.岡田雅志氏
*「ベトナム北部山地の首長権力と鉱産資源:18-19世紀のトゥロン銅山の生産と流通を中心に」*
華人の世紀」と呼ばれる18世紀の東南アジアにおいて,大陸部,島嶼部を問わず,
フロンティア地域において中国移民による鉱山開発 ブームが起こり,東南アジア経済に
巨大なインパクトを与えたことはよく知られているが,当該地域の人々が鉱山開発に
どのように関与したのかについ ては史料が乏しいこともあり,ほとんど明らかになっていない。
本報告では,近年利用可能になった阮朝ベトナムの行政文書(硃本)を利用し,
中越境界地域に存在したトゥロン(Tụ Long,聚龍)銅山を事例に,現地社会特に
首長権力が鉱山開発にどのように関与し,鉱産資源の生産・流通管理を通じて,
周辺国家や外部世界とどのように かかわっていたのかを明らかにする。
そのうえで,アジア最大規模を誇ったともいわれる銅鉱山の開発ブームの興起と終焉が
現地社会にどのような影響 を及ぼしたのかについて銅という資源の特性にも
注目しながら議論をしてゆきたい。

報告3.尾上智子氏

*「フィリピン・カリンガ州パシルにおける文化変容に関する人類学的考察」*
本報告は、フィリピン・ルソン(Luzon)島北部のコルディリエラ(Cordillera)地域に
位置するカリンガ(Kalinga)州パシル(Pasil)で行ったフィールド調査をもとに、
パシルにおける文化変容のメカニズムを考察しようとするものである。パシルで
執り行われている治療儀礼の中には、意味の空白と考えられる部分が見出せる。
本報告では、その意味の空白部分を「中間的領域」という語で捉えながら、それを
様々な意味の源泉となる「遊び」の過程と解釈する。そして、こうした社会の中の
「中間的領域」が、パシルの人々にとって馴染みのない要素を受容可能なものに
している可能性を示唆する。
コルディリエラ地域の文化変容は、「伝統」から「近代」への移行と見る近代化論的
図式によって捉えられるものではなく、社会に備わった仕掛けによって可能となって
いると考えられる。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
アクセス・カウンター
あなたは
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR