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ジェンダー史

昨日は東京に出張。
日本学術会議のジェンダー史と歴史教育に関する検討をおこなっており、その公開シンポを母体にした『歴史教育とジェンダー』(長野ひろ子編、青弓社、1600円+税)に私も歴史教育について原稿を書かせてもらったのだが、次は歴史教育改革の前提となる、より広い歴史認識を変える取り組みのなかにジェンダーをどう位置づけるか考えようという公開シンポを7月に計画しており、その準備会に呼ばれたのである。

ジェンダー史とか女性史というと、日本ではまだ、「とっつきにくい」という印象をもっている研究者・教員(とくに男性)が多い分野だろう。ずいぶん本格的かつ多様な研究が進み部分的には学校教科書にも書かれているのだが、現状はまだ「少数の尖鋭な意識をもった人」だけのものにとどまっており、「ふつうの人たちがあたりまえに」研究・教育できるようになっていない。歴教研で取り上げてきた「世界システム論」「グローバルヒストリー」や「中央ユーラシア史」「アジア史と日本史の統合」など一連のテーマと同じ構造が、ここにも見える。

となると、そこを変えるには専門家・学界の側が、「専門研究の片手間」でない膨大な解説作業やネタ集作りと、コミュニケーターの養成に取り組まねばいけない、また自分の分野をもっと重視しろと要求するだけでなく、それを組み込んだ「世界史」を自ら描いてみせねばならない、という毎度おなじみの私の話が出てくることになる。

コミュニケーターという点で言えば、初めて知ったのだが、学術会議の公開シンポも、「科学・技術コミュニケーションフォーラム」という枠組みのなかで行われるのだそうだ(史学系のこれまでのやり方では、ふつうの学会シンポか「啓蒙のための公開講演会」に終わり、理系の先端がやっているような科学コミュニケーションにはならない気がするが)。

夜、横浜のホテルでテレビを見ていたら、揺れた。強くはないがずいぶん長い間揺れた。仙台で震度6強。

(おまけ)
アジア史を教えるのにジェンダーの素養が役に立つ、わかりやすい例(そんなに難しい勉強はいりません)
・則天武后(武則天)と西太后は「悪女」のままでいいか? 前近代東アジアで女性が政治をすることは本当にいけないことだったか? ついでに朝鮮王朝の閔妃はなぜ日本が殺さなければならないほどの力をもてたのか?
・儒教的家族モデルとはどんなものか。中国や朝鮮半島・ベトナムで夫婦別姓なのはなぜか? 日本はなぜ夫婦同姓にできたのか?
・「持参金不足の花嫁が焼き殺される」南アジア世界で、第二次大戦後にインド、パキスタン、バングラデシュ、スリランカの4か国に女性の大統領ないし首相が登場しえたのはどうしてか? 「近代化・西洋化」のおかげ?? この話は「いわゆるカースト制」などの説明とは関係なし?
・すでに専門家はみんな知っているのに、「教科書記述」に反映されない例として、遊牧国家における支配者の正妻や姻族の役割などもあげられるか。
・(これは自己反省)19世紀後半の世界経済・国際労働力移動と植民地支配の説明のなかで「からゆきさん」を取り上げることは、大学の授業では昔からやっているが、高校教科書にはまだ書けていない。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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