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名古屋大学人の会の経団連会長への公開書簡

http://nu-anti-war.wix.com/main#!keidanren2015b/cjd6
公開書簡

名古屋大学修了生の榊原定征さんへ

 あなたが会長を務められている日本経済団体連合会(以下、経団連と記します)は、2015年9月15日、「防衛産業政策の実行に向けた提言」を公表しました。

 提言は、「防衛装備品の海外移転は国家戦略として推進すべきである」と明言し、「官民が連携・協議して、お互いの役割とリスク分担を定め、対外投資支援制度、情報保全体制、機微性の判断プロセスを構築するとともに、一定の輸出手続等の簡素化を行うべきである」と、防衛産業強化を政府に迫っています。

 振り返れば昨年4月、安倍政権は、武器輸出を全面禁止としていた「武器輸出三原則」を撤廃し、「防衛装備移転三原則」を閣議決定しました。いかに言葉を変え、「武器輸出」を「防衛装備移転」と言い繕おうとも、武器や兵器、軍事関連技術の輸出を認めるこの決定は、戦後日本の平和主義に反した大きな政策転換でした。今回、経団連が求めている「防衛装備品の海外移転」もまた、要するに産業として兵器を製造・輸出しようということであり、政府に国策として軍事産業を育成・強化せよと要望しているのに他なりません。

9月15日付け提言には、「現在、国会で審議中である安全保障関連法案が成立すれば」との法案成立を前提に、「自衛隊の国際的な役割の拡大が見込まれる。自衛隊の活動を支える防衛産業の役割は一層高まり、その基盤の維持・強化には国際競争力や事業継続性等の確保の観点を含めた中長期的な展望が必要である」とあります。

政 府の「防衛装備移転三原則」では、「(ア)平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合,又は(イ)我が国の安全保障に資する場合等」、との限定が付けられていました。さらなる武器輸出推進のためには、「国際協力」「安全保障」の範囲拡大が必要です。それを可能にするのが、先の集団的自衛権の容認および安保法制の成立だったと言えます。

 「戦争する国」になる以前に、どこであろうと、世界中いたるところに武器を輸出できればそれで構わない。政官産一体となった「死の商人」の育成が国策として押し進められようとしているのは明白です。

 しかも「提言」には、「基礎研究の中核となる大学との連携を強化すべきである。その際、大学には、情報管理に留意しつつ、安全保障に貢献する研究開発に積極的に取組むことが求められる」との軍学共同研究の推進も明記され、防衛省はすでに本年度より、「安全保障技術研究推進制度」を開始しました。

あなたが会長に就任してまもなくの2014年9月、経団連は、「政治との連携強化に関する見解」を発表し、政治献金への関与を5年ぶりに再開する方針を正式決定しました。「政党の政策評価も実施していく」とは、まさに金の力で政策を買うことを暗に示すものです。

 こうした経団連の方針が、本学修了生であるあなたのもとで実行されていくことに、わたしたちは、強い憤りを覚えます。ここに、あなたを生み出した母校構成員としての深い憂慮と、満身の怒りをもって、抗議します。

 あなたは間違っている。

 愛知県立半田高等学校から名古屋大学大学院までの同級生で、大学寮の部屋も隣同士の間柄だったという名古屋大学第12代総長の平野眞一さんが、2015年8月29日、「自由・平和・民主主義を愛し戦争法案に反対する名古屋大学人の会」主催の「戦争法案を考える名古屋大学人の集い」に、「永遠(とわ)の想い」と題したメッセージを寄せられました。そこには、次のようにあります。

私たちは、あの戦争に至った国の在り方を検証し、国の行く末に責任を持って活動し

なければならないと思っております。何れの国も、武器によって人が殺される中では、

決して真の平和が訪れることが無いことを、肝に銘じるべきだと考えております。

 次の世代を担う世界中の大切な子供達に、戦争の悲しさ、残酷さを絶対に経験させて

はならないと強く思うからです。



 1943年生まれのあなたは、太平洋戦争により、潜水艦長であったお父様を喪い、大学時代は、アルバイトにより学費と生活費を賄い、毎晩遅くまで勉学に励んだそうですね。そのあなたが、戦争の残酷さ、悲惨さを、身をもって知るあなたが、いま、人殺しのための武器輸出の旗振り役と化している。その武器は、あどけない子どもたちの笑顔を奪い、将来の夢を思い描く若者を、殺人者へと仕立て上げるかもしれない。その若者は、かつてのあなたと同じように、経済的に恵まれず、そのために戦場へと行かざるをえなかったのかもしれない。そう、想像してみて下さい。

 1987年、名古屋大学の全構成員の過半数の署名により制定した「名古屋大学平和憲章」には、「われわれは、世界の平和と人類の福祉を志向する学問研究に従い、主体的に学び、平和な社会の建設に貢献する有能な働き手となることをめざす」と謳っています。

 榊原定征さん、いまからでも遅くありません。どうか、「平和な社会の建設に貢献する有能な」先輩としての姿を、後輩たち、そして平和を願う世界の人たちに、示して下さい。

                2015年9月25日
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プロフィール

ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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