ベトナム戦争は遠くなりにけり...

NHKドキュメンタリーシリーズ第4夜は、ベトナム戦争中にラオスに落とされた不発弾を処理する(現地で専門家を養成しながら不発弾処理をおこなう)オーストラリア軍の専門家に焦点を当てた、オーストラリア制作の番組だった。

第二次大戦で連合国が落としたすべての爆弾より多くの爆弾がラオスに落とされたこと、現在のペースではすべての不発弾を処理するまでに200年かかることなどを、焦りを感じながらもラオス人の協力者・専門家や村の社会に入り込んで仕事をしようとするオーストラリア人の様子をまじえながら、淡々と紹介する。結びは育ちつつあるラオスの専門家の様子や、とりあえず目の前の爆弾を処理し終わって、年中行事のロケット祭りに盛り上がる人々の様子などを映して終わる。経済建設や観光の活況だけ見ていてはわからない、ベトナム戦争の傷跡に注意を向けるには、いい番組だったかもしれない。

今朝の新聞の外信面には当然、昨日のベトナムでの解放40周年記念式典の記事が出ている。
毎日の記事では「ベトナム戦争は1950年代に始まった。米ソ冷戦時代、国内は南北に分裂。米国は南ベトナムを支援し、60年代半ばから戦争に本格介入した。しかし、75年4月30日、ホー・チ・ミン率いる北ベトナムが南ベトナムの首都サイゴン(現ホーチミン)を攻め落とし、ベトナムを統一した...」と書いてある。

あれれ、なんだかおかしいな。毎日は誤植や混乱した記事に関する校閲記者の苦労話が毎月掲載されるのだが、これは校閲の目をくぐり抜けてしまったのかな? これを見ている高校の先生、もし「上の文の誤りを正せ」というテスト問題が出たら、どう答えますか?

これを書いてる特派員は、ベトナム戦争世代ではないに決まっている。うろ覚えで書いたのだろうが、「ベトナム戦争は遠くなりにけり」の感を深くした。
そして今日はメーデー。ベトナムでは4月30日に続くお祭りの日だが、このキャンパスの構内で今日から始まった春の学園祭に興じる学生たちの何割が、メーデーの日付や意味を答えられるだろうか? そんなの知る必要がないような、申し分ない労働条件の職場ばっかりに日本がなってるというわけではなさそうだが。


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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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