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ベトナムの水中考古学と西村昌也氏

ベトナムの雑誌『考古学』の2014年6号が少し前に届いていた。
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クアンガイ省で開かれた水中考古学国際シンポの特集である。同シンポには17か国の学者を含め国内外から200人が参加したと巻頭に書いてある。

「水中」という点ではベトナムはもともと元寇を撃破した「バックダン河の戦い」で河底に植えた杭など、デルタの川や沼の中から見つかった有名な遺物をもち、15世紀後半の北部ベトナム(チューダウ窯)産の輸出陶磁器を満載した「ホイアン沈船」の引き揚げなど、海中からの発見も相次いでいる。
現在は南シナ海の領有権紛争を意識した部分もあるのだろうが、陶磁器を積んだ貿易船などは、韓国の新安沖沈船がそうであるように、ナショナリズム(や大中華主義)が独占できないものをもつ。たとえば東南アジア史では、フランスのピエール・マンガンが文献と沈船の情報を組み合わせて、近世にみんなが「中国人の船」と思い込んだジャンク船というのは、実はもともと東南アジアと中国の技術を組み合わせて南シナ海で創り出されたハイブリッドな船だったと証明している。水中考古学がナショナリズムや大中華主義を超える対話を広げる場になるようにを祈りたい。

5月にシンガポールで開かれるAAWH(アジア世界史学会)で予定されている西村昌也氏の追悼パネルでも、水中考古学の報告があると聞く。かれも亡くなる直前に科研費をとって、ベトナムの沈船を研究しようとしていたのだ。


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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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