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マイナスのバイリンガルを養成する政策

今朝の毎日新聞「論争の戦後70年 第9回[英語教育]」(大阪本社版11面)はそこそこ面白かった。
元外交官・自民党参議院議員の平泉渉と上智大学の渡部昇一(本来は英文学者)が英語教育をめぐって1974年から論争したのだそうだ。平泉説は不効率な受験英語の強制が生徒の学習意欲をそいでいるのを批判する一方で、全員強制が間違っているとして高校の外国語は志望者のみ、大学入試には外国語を課さない他方で志望者には集中訓練をして、国民の5%が英語の実用能力をもつようにするというものだそうだ。渡部はこれに伝統的方法で全員を教育して潜在能力を開発する格闘が正道だとして反論したという。

面白いのはこの二人とも現在の小学校への英語導入に注文をつけていること。強制して教えるのは反対。先生は語学教師の資格をもったプロのネイティブスピーカーでなければ意味がない。そうでなければ子どもの日本語がダメになるとは、渡部昇一もたまにはまともなことを言うんだ。TOEFLなど英語試験の点数を活用する動きがどこでも盛んだが、これはコミュニケーション能力を測るものではないと専門家は警告する(英会話を小学生から教えろという動きはコミュニケーション能力を要求しているので矛盾する)。全体が実情を知らない政治家の、経済界に引きずられた思いつきだと危惧する鳥飼久美子氏の意見も載せている。

記事のまとめは「取材した語学の達人たちは一様に、日本語も英語もダメな「マイナスのバイリンガル」になってしまうのを心配している」。與那覇潤さんのいう「ブロン」だね。

3面のコラム「火論」(玉木研二)には、第二次世界大戦敗戦直前の日本で清沢冽がひそかに記していた日記には「日本の指導者は「学問」などというものの価値をまったく解しない。無学の指導者と、局部しか見えない官僚とのコンビから何が生まれる!」と書いてあるそうだ。上の英語教育の話と重ねて読むのは強引ではないだろう。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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