日本学士院の新会員

週末のニュースで、日本学士院の新会員に間野英二、田代和生、斉藤修と歴史学者が3人一挙に選ばれたというのがあった。間野先生はムガル帝国を建てたバーブルの研究などをされた方。圧倒的に漢文圏に偏っていた日本の「東洋史学」はいまやイスラーム世界についても一流の研究者を輩出しているが、間野先生はその先達の一人。田代さんが日朝関係史、斉藤さんはプロト工業化や歴史人口学などの業績で知られ、海域アジア史やグローバル経済史への影響も大きい。3人ともアジア史または「アジア/世界の中の日本史」の研究が評価されたというのがめでたい。

ちなみに日本学士院が、フランスの学士院(アカデミー)に倣ってつくられたものだろう。ただしそれ自体が新しい研究を生み出すという機能を持っているとは思えない。文化系が社会科学を含めて「人文系」と区分されているのは、古き良き時代の香りを漂わせる。

さて総選挙結果。後世の教科書に「日本国の滅亡を決める選挙になった」などと書かれねばいいが。とにかくこの期に及んで有権者が目前の景気対策を判断材料にするというところは、かつて「エコノミックアニマル」と呼ばれた国民にふさわしいか。それを拒否する有権者の多くが投票に行かなかったのだろうが、「自民がイヤでも変わりがいない」と考える層に、「どうせどこの政策も同じ」と決めつける以上の勉強をしている人がどれだけ含まれているかは深刻な問題だろう。とにかく沖縄の結果と本土の結果の食い違いは、本土の有権者が「沖縄(や福島)のことなんか知らないよ」という意思表示をしたことを意味する。それでよいのだろうか。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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