12月8日

以前もこのブログで書いたことがあるが、1941年12月8日(日本時間)に始まった日本の戦争は、真珠湾攻撃で始まったのではない。日米戦争が真珠湾攻撃で始まったのは事実だが、当時の大日本帝国が開戦した相手は「米英」である。同時に奇襲攻撃をするはずが偶然時間がずれただけだそうだが、戦闘は真珠湾より1時間あまり前に英領マラヤで始まっている。「真珠湾で始まった太平洋戦争」という言説は、「日本はアメリカと戦ってアメリカに負けた(だから戦後はアメリカの言うことを聞かねばならない)」というアメリカが押しつけた考えもしくは「アメリカに押しつけられた状況を自分で納得するために自分に刷り込んだ日本側の考え」を象徴するものである。

さて、その日に「自民党3分の2」とかいう選挙の予想記事を読むと複雑な気持ちになる。
なにかというと「軍国主義の復活」などと言いたがる平和主義者や革新陣営の主張を、現実をみない観念的なものと国民のy多数派がこれまで退けてこられたのは、自衛隊にせよ何にせよ民主的にコントロールできる、日本の民主主義はそんなにやわではない、という考えが広く共有されていたからだろう。しかし現状はどうだろうか。
1930年代の日本は、たしかに不況脱出を果たし、戦後につながる時代を先取りした改革をある程度実現したのだろう。しかし「財政再建とトリクルダウンのための条件作り」と称して「一億総ブラック企業化」みたいな状況に驀進する現在の経済政策はどうだろう。これが破綻したとき、過去の書き換えを含む対外強硬路線も中国が困らない一方で欧米から大顰蹙を買っているとすれば、その先に待つのは緩慢だが出口のない衰退でなければ、73年前よりもっと成算のない戦争ではないだろうか。何度となくこのことを書いてきていい加減自分で飽きるが、そういう心配を繰り返さざるをえない。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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