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今朝の毎日新聞(4)~オノマトペが豊富なのは日本語だけか?

忘れるところだった。1面下のコラム「余録」の書き出し。
「ワンワン」「しとしと」「ドロドロ」。こういう擬音語や擬態語は「オノマトペ」と総称される。日本語は外国語に比べて多いといわれ、表現力を豊かにするのに力を発揮している。マンガでよく目にする(古い??)「ガーン」や「シーン」もこの中に入る。
国語の授業やこうしたコラムなどでよく見かける言説である。しかし私の日頃の論調をご存じの方は、ここでいう「外国語」が英語などのヨーロッパ諸語でしかないことに気づかれるだろう。

初級ベトナム語を日本で習ったときにはあまり出てこなかったのだが、実際にベトナムで暮らしそこで授業を受けてみたら、擬音語や擬態語があふれていた。それが覚えられなくてとても苦労した。ハノイ大学ベトナム語か(当時)の中級の教科書で擬音語・擬態語を集中的に扱う課文があり、そこで先生が留学生たちに向かって「お前たちの言葉にこういうのはないだろう」と言ったのを、今でもはっきり覚えている。ベトナム人もフランス語などのヨーロッパ諸語だけの知識をもとに「擬音語・擬態語の豊かな表現はベトナム語固有のものだ」と信じていた。私が「いや、日本語にもたくさんありますよ」と言ったら先生はきょとんとしていた。
自分の特徴を周辺諸民族と比べようという発想が根本的に欠如していて、欧米だけと比べて劣等感や優越感をもつというのは、知的植民地状況の重要な一環だろう。「多数派の日本人」はいつそこから抜け出すのだろう。

ついでにいっておこう。ベトナム語と同じく「単音節・声調言語」である中国語にも擬声語・擬態語がたくさんある。語形変化で意味やニュアンスをあらわし分けることができない単音節言語では、ものの様子や動きを示すのに擬音語・擬態語をたくさん作る必要があるのだろう。パンダの名前などで同じ漢字を繰り返すものが多いのも、イメージをオノマトペ的にあらわす工夫のひとつだろう。1文字で使う漢字でも、「ガーン」や「シーン」などと同じ擬音や「形態模写」からきた文字はとても多い。それを理解していないと漢詩の押韻はできない(日本に科挙試験があれば、そこでは漢詩が自由に作れるレベルまで韻の規則を理解していないと答案が書けないので、そういう勉強をしたはずだが)。「訓読」を普及させた日本人は漢字の音韻面を捨てて「表意文字」としてのみ理解し教えようとしてきたために、それがわからない。そのために、自国語の音韻の特徴を理解する恰好の機会を失ってきたのである。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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