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介護の言葉 分かりやすく

今朝の毎日新聞「くらしなび」欄の記事。
「廃用症候群」(ケガや病気で体を動かさないうちに機能が低下して動かなくなること)、「眩暈」(めまい)、「下肢挙上」(足を上げること!)、「鼻閉」(鼻づまり)。。。
介護福祉士養成テキストにはこの手の言葉がたくさん登場し、介護の世界では相変わらず使われているのだそうだ。

この記事で直接インタビューされているのは日本語教育の先生で、経済連携協定(EPA)で来日し、介護福祉士をめざすインドネシア人らの指導をするうち、日本語の養成テキストの用語がまちまちで、しかも難解なのに気づいたそうだ。インドネシア人やフィリピン人が難解語に悲鳴を上げているとう話は、以前にも新聞で取り上げられたことがある。今日の記事によると、厚生労働省はEPA来日者に限り全ての漢字にふりがなをふるなどの配慮をしているが、専門用語の見直しは「平易な用語に置き換えると介護現場が混乱するおそれがある」との見地から消極的だとこのこと。

難しすぎる法律用語が問題にされたのはずいぶん前だが、介護現場がこんなに悲惨だとは思わなかった。「下肢挙上」とは恐れ入る(旧日本軍にはこの種の言い方がよくあったと聞くが)。
今日の記事によると、外国人介護士がむりやり覚えた難解語を使って、被介護者の家族が戸惑ったとか、日本人介護士と被介護者の間でも、意味が通じなかったり被介護者が意味を誤解して傷つくことがあるそうだ。介護などの仕事につこうという意欲は高いが漢字能力は極端に落ちているいまどきの日本人の若者にとっても、こんな言葉を覚えねば介護士になれないというのは苦痛だろう。

厚労省が「基本的に介護者の説明能力の問題」「専門用語については、学術団体や関連学会が主導すべきだ」と言っているそうで、2つめの意見は正しい気もするが、こういう用語を野放しにして平気な業界があるという点は、国民への日本語教育の貧困だとして、文科省に抗議ぐらいしてもいいように思われる。

なおこれは、介護業界だけの問題ではない。
この先はたびたび話したり書いたりしてきたことだが、日本社会の「国際化」や「グローバル化」のためには、英会話の教育だけ充実すればよいなどというのは、とんでもない幼稚な見方である。母語教育や異文化理解教育などが伴っていなければ話にならないという世界の常識を、日本のリーダーたちにもふつうの国民にも、強制的に暗記させてでも覚えさせなければならない。

その一環としてたとえば、ふつうの日本人に「日本語が下手な外国人と日本語で話す方法」を訓練することも必要である。なにを言いたいか。大学関係者を含めてほとんどの日本人が、そういう外国人に対して、「言葉遣いを変えずにただゆっくり話す」。つまりそういう外国人にわかるわけがない漢語や外来語、業界用語・方言などの難解な単語や、外国人には難しい言い回しなどを、スピードはゆっくりだがそのまま話す。これでは駄目だろう。

私の周りにいる人は、留学生相手に「桃木先生が変な日本語をしゃべっている」のに気づいてほしい。これは習ったわけでない自己流だが、ただ「レベルが十分高くないベトナム人の日本語教師」などを思い出しながら話してはいる。たとえば言い回しでは
・仮定・条件のいろいろな表現を使い分けず、なるべく「もし~だったら」だけを使う
・「だれがやったかは問題ではありません」のような間接疑問文はなるべく使わず、「だれがやりましたか。それは問題ではありません」のように文を分ける。

などいくつかある。発音で「です」「ます」などの「す」の母音を完全に発音するのも大事な場合が多い。






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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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