「反日が嫌い」な人々の不勉強

「日本が外国からどう思われているのか」を異様に気にする最近の人々(たいていはちょっとでも批判されるとすごく傷つく)を見ると、仲間内の人間関係をすごく気にするのとおんなじだなと思うが--「鏡よ鏡」、と毎日鏡に自分が美しいかどうか答えさせる王妃様の話も思い出す--それに費やす時間があったら、基本的な事実でもう少し勉強してほしいことがある。たとえば以下の2点。

・「左翼」イコール反日・自虐史観の徒?→「左翼」の定義がわかってない。
「自虐史観」や「反日」の人々を左翼と定義しているのようだが、「戦後左翼」の多数派が伸び悩んだ大きな理由は、それが右翼と実は同様に、国民国家への疑い(易しく言えば、「日本人であること」への疑い)をもたなかった点にある。「戦後左翼」の大きな部分にとって圧倒的に大事なのは反米だったが、それはなによりも日本をアメリカの属国状態から救い出す「愛国」の手段であった
こういう立場から見れば、現実の政府や自衛隊がアメリカにまったく逆らえない状況を問題にしないで、中国や北朝鮮が悪いからといってますますアメリカにすり寄るような現在の日本の動きは、「戦後のアメリカによる属国化がここまで浸透したか」というふうにしか見えない。現政権のようなやり方を支持するのが「愛国だ」と考える人々が、「左翼」を説得もしくは論破したかったら、自分たちこそ愛国心を失ってアメリカに骨の髄まで洗脳されているのではないということを、証明する必要がある。
(注意)そのときに、「従軍慰安婦」だの靖国神社だのいう歴史にかかわる問題で、「日本だけが悪者にされてケシカラン、よそも悪いことをしているじゃないか」という理屈をいくら言っても、決定的な意味はないことがわかるかな? 焦点は日本自身の、しかも現実の政治・外交や軍事における対米従属なのだから。

・「左翼」はすべて親中?(しかも韓国寄り???)→馬鹿を言ってはいけない。
左翼の分裂と仲間割れの歴史を知らないかね? 中ソ対立の話は「自虐史観」の高校世界史教科書に必ず書いてあるぞ。日本でも親ソ派に毛沢東主義者にユーゴ礼賛に自主独立派に...
1970年代末、朝日・毎日(系の親中派左翼)だけでなく讀賣(この際中国にすり寄って儲けようという政府・財界の願望を反映していたのだろう)も日中友好の旗を振り、カンボジア問題や中越対立でのベトナムの言い分など聞こうともしなかったとき、中国批判をしたのは一に赤旗、二に産経だった事実を学んでほしい。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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