閣議決定文の「ごまかし」

毎日新聞「特集ワイド」大阪本社版では昨日の夕刊に載っていた。ネットでは3日から出ていたようだ。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140703dde012010003000c.html
阪田元法制局長官など、単なる「憲法9条護持」でない専門家たちが懸念を述べている。

決定文は<「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれる>と戦争参加を想定しながらも、参加国の交戦権には言及していない。阪田さんはここにも疑問を投げかける。「憲法9条により交戦権を持たない日本には、他国のような(非戦闘員の保護など)戦時国際法の権利が認められないと解される。それなのに、どうやって他国と同じように戦争に参加するのか」。敵国に拘束された自衛隊員は捕虜としての権利を主張できず、軍人ではなくテロリストとして扱われる恐れがある。

閣議決定文は、国連集団安全保障措置の後方支援や国連平和維持活動(PKO)の<駆け付け警護>についても、従来は憲法9条に抵触するとして非戦闘地域に限っていた自衛隊の活動範囲を拡大し、武器の使用もしやすくした。

 国連職員として紛争地で武装解除の経験を持つ伊勢崎賢治・東京外国語大教授(平和構築学)は「武装した組織を紛争地に派遣すれば、住民に対する誤射などの問題が必ず起きる。そのため、問題を処理する軍事法廷を持たない軍隊は使えないというのが国際社会の常識だ」と言う。自衛隊にも軍事法廷はない。
 「問題はここだよ」と決定文を指した。<「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられる>。PKO派遣された自衛隊員が武器を使用しても紛争に巻き込まれないとする論拠だ。「現実は正反対だ。『国家に準ずる』敵対組織は、外国の軍隊が駐留していること自体を理由に、民衆の中から次々に出てくる。戦争終結後のイラクを見れば明らかだ」。伊勢崎さんはそう喝破する。

これはやっぱり憲法を変えねば無理だろう。それでも集団的自衛権の行使が必要と考えるなら、正々堂々と改憲を提起すべきだ。
憲法解釈の変更でOKなどと言い張る人々は、自分たちが「平和ボケ」でないことを証明する義務がある。
さもなくば、近隣に悪い国があるという「現実」さえあれば自分で法治国家も言論の自由も壊していいと思っていることを、はっきり認めるべきだ。



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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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