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7月4日

朝のテレビで、今日はアメリカ合衆国の独立記念日だと紹介していた。

そのアメリカの独立宣言が、コミンテルンの活動家だった共産主義者ホー・チ・ミンの起草によるベトナム民主共和国独立宣言の冒頭に引かれている(その次にフランス革命の人権宣言も出てくる)事実は、同宣言が何回か日本の大学入試に出たこともあるので、ご存じの世界史の先生も多いだろう。以下のような文章である。

「すべての人間は生まれながらにして平等の権利をもつ。造物主は彼らに、誰にも侵すことのできない権利を与えており、その諸権利のなかには生きる権利、自由の権利と幸福を追求する権利が含まれている」。この不朽の言葉は、1776年のアメリカ合衆国独立宣言のなかにあるものである。広く考えるとこの言葉は、全世界のすべての民族は生まれながらにして平等であり、いかなる民族も生きる権利、幸福の権利と自由の権利をもつことを意味している。
1791年、フランス革命の人権および市民権の宣言もつぎのように述べている。「人は権利について自由・平等に生まれついており、そして常に、権利について自由と平等でなければならない」。それは何人も否定できない真理である。
にもかかわらずこの80年以上、フランス植民地主義は、自由・平等・博愛の旗を利用してわが国を奪い取り、わが同胞を抑圧してきた。彼らの行動は人道と正義にまったく反する...

「広く考えるとこの言葉は、全世界のすべての民族は生まれながらにして平等であり、いかなる民族も生きる権利、幸福の権利と自由の権利をもつことを意味している」というのは、合衆国独立宣言の解釈としては強引だろうが、この時期のホー・チ・ミンはまだ、植民地解放者としてアメリカに期待していたのだとされる。

この独立宣言から見ると、その後のベトナムへのアメリカの大規模な介入(要するに集団的自衛権にもとづく)とその失敗は、あまりにも皮肉な出来事だった。「7月4日に生まれて」というアメリカ映画(1989年、オリバー・ストーン監督)は、その問題をアメリカ側から反省的にとらえた映画だった。

ただし私見では、この映画はまったく「ベトナム」を理解してはいない。合衆国が合衆国本来の理想を裏切ったと反省しているだけで、相手はベトナムでもタイでもインドネシアでもどこでもいい感じである。これは、ベトナム(ないしインドシナ)そのものにかなりのこだわりを見せるフランス映画とは対照的だと感じたのを覚えている
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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