学術会議シンポ(補遺)

下の記事の続きだが、高校世界史という科目の歴史についてたくさんの論文を書かれた茨木智司さん(上越教育大)が、通学校の歴史や大学入試の歴史も研究しないと、「歴史基礎」も今までの新科目(世界史Aや現代社会などなど)の轍を踏んでうまくいかないおそれがあるとコメントされた。もっとも話だ。

もう一点、やむをえず「地理基礎」「歴史基礎」などをやろうとしているが、本当はかつてそうしていたように地理と世界史・日本史を全部履修するのがいいのだ、という発言が複数あったが、地理や政経などが1科目しかないのに、歴史だけ特権的に世界史・日本史と2科目を占めることが正当化できるかどうかは疑問だ(選択科目としては両方あってかまわないが)。こんな発言をすると、では歴史の教員採用が減ってもいいのかと叱られそうだが、茨木さんが明らかにされた戦後の科目設立のいきさつから見ても、本来は「日本史・世界史を統合した歴史という1科目」でいいはずだ。主張するなら、外国のように何学年にもまたがって学ぶことを前提に、総単位数を大きくすることだろう。たとえば理系風に、歴史I・歴史IIなどと科目を分けることを考えるのは不可能だろうか。

なお、「地歴科」か「社会科」という議論にこだわる発言も会場から出された。たしかに大きな問題なのだが、今回の提言の範囲を超えているし、社会科で考えられている市民の育成という観点は、今回の提言でもはっきり打ち出している、という主宰者側の「答弁」は妥当なところだろう。
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ダオ・チーラン

Author:ダオ・チーラン
ヒツジ年生まれで写真のニワトリに深い意味はない。横浜で生まれ育った関東人だが、大学入学後現在まで関西で暮らしている。
本業は歴史学者で、専門は中・近世のベトナム史、海域アジア史、歴史学の評論・解説など。
趣味はパ・リーグを中心としたスポーツ、鉄道ほか。
このブログの意見はすべて筆者個人のものであり、いかなる組織にも関係ありません。

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